研究概要 |
・18年度に製作した日本語と欧文の検索用具(Web-based Search System: SCORP)の改良を加え,UTF-8の文字資料データから擬似的ではあるが「文脈検索」を可能にした.これらは,報告者らが所属している研究室のサーバで公開している. ・蒐集した文献を18年度のデータベースに追加し,上述のSCORPを用いてMPUが社会に浸透する要素に関する仮説を設定した.これらは当該特定領域が主催する国際シンポジウムとフォーラムで発表した. ・MPUの知識や計算機の動作について詳しくない一般の人々がどのようにして画期的な技術を受入れることができたのかについて仮説を設定した. ・上記の仮説を確認するための広い計算機の歴史的な発展過程を確認するために,世界最大の計算機展示博物館(ドイツ)と近代計算機の歴史博物館(米国)と計算機の活用の背景を保存している機関(米国)を訪れ,確認資料を収集した.一部は添付の報告書に説明されている. ・仮説の検証は完了していないが,設定仮説の正当性については,概ね支持するデータを得ている. ・設定した仮説は,1960年代後半には計算機の理論や技術などの体系がほぼ完成していたこと半導体技術が民生品の水準にまで拡大していた技術的な背景があったこと(これら自体は汎く受入れられている)を前提としている. ・個々具体的な仮説には,1)計算機という機能に対する社会の誤解が存在していたこと,2)ビジコン社の小島社長に代表される計算機の理論と技術を備えた技術者が中小企業においても多数が存在していたこと,3)計算機の操作そのものが1つの教養として社会に普及していたこと,などがある.
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