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2007 年度 実績報告書

戦後日本における鉄鋼製造技術の技術革新

研究課題

研究課題/領域番号 18046006
研究機関名古屋大学

研究代表者

黒田 光太郎  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30161798)

キーワード鉄鋼製造技術 / 技術革新 / 自動車用薄鋼板 / プレス成形 / 深絞り加工性 / 結晶集合組織 / 集合組織形成機構 / 基礎研究
研究概要

昨年度、第二次大戦後の鉄鋼技術復興に向けた日本鉄鋼協会を中心とした精細な調査にもとづき、日本の基幹産業としての使命を達成するための技術指針が提示されたことを示した。この中で銑鋼一貫生産方式の採用、国際競争力を高性能・高品質の高級鋼材製造を志向する指針が提言されていた。この指針をもとに銑鋼一貫生産方式の一翼を担う薄鋼板量産可能な冷間圧延ミルの設置が進んだ。しかし当時の国産薄鋼板の材質レベルは米国産に比べて著しく劣っていた。このような状況下で、自動車と鉄鋼の二産業の研究者・技術者とを結びつける活動が進んでいく。東京大学の福井伸二は簡易に深絞り性を評価できる試験法を考案し、コニカルカップテスト研究会という同人会的集まりを作った。この研究会には自動車メーカーと鉄鋼会社の技術者が集まり、福井の弟子である理化学研究所吉田清太が中心となってコニカルカップ試験法のJIS標準化を目指した。コニカルカップテスト研究会は「薄鋼板のプレス成形と試験法研究会」さらに「薄鋼板成形技術研究会」へと発展していき、理化学研究所の吉田研究室は自動車用薄鋼板の実用開発の中核的な役割を果たしていく。1970年日本鉄鋼協会鉄鋼基礎共同研究会の中に大学、国立研究所、鉄鋼会社の研究者が参加、「薄鋼板製造技術の基礎としての再結晶現象および集合組織」に焦点を合わせた再結晶部会が設立された。この年鉄鋼協会の主催で、"International Conference on the Science and Technology of Iron and Steel (ICSTIS)"が開催され、戦後日本の鉄鋼科学技術の自立が世界的に認められた。また日本鉄鋼協会では、自動車用鋼板を対象とする低炭素鋼研究会が金属組織学的研究を進めて、今日の自動車技術と鉄鋼技術の重要な基盤を築いていった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 戦後日本における鉄鋼製造技術の技術革新2007

    • 著者名/発表者名
      松尾宗次、黒田光太郎
    • 雑誌名

      化学史研究 34

      ページ: 109-110

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 戦後日本における鉄鋼製造技術の技術革新-自動車用薄鋼板の技術革新を中心に-2007

    • 著者名/発表者名
      黒田光太郎、松尾宗次
    • 雑誌名

      特定領域研究「日本の技術革新-経験蓄積と知識基盤化-」第3回フォーラム報告集

      ページ: 55-58

  • [雑誌論文] 自動車用薄鋼板の技術革新-戦後日本における鉄鋼製造技術の技術革新の事例-2007

    • 著者名/発表者名
      黒田光太郎、松尾宗次
    • 雑誌名

      特定領域研究「日本の技術革新-経験蓄積と知識基盤化-」第3回国際シンポジウム論文発表会・論文集

      ページ: 41-44

  • [学会発表] 戦後日本における鉄鋼製造技術の技術革新2007

    • 著者名/発表者名
      松尾宗次、黒田光太郎
    • 学会等名
      日本化学史研究会
    • 発表場所
      愛知県立大学
    • 年月日
      2007-06-16
  • [図書] 技術とイノベーションの戦略的マネージメント 上巻・下巻2007

    • 著者名/発表者名
      青島矢一, 黒田光太郎, 志賀敏宏, 田辺孝二, 出川徹, 和賀三和子監訳
    • 総ページ数
      1330
    • 出版者
      翔泳社(原著者:R. A.バーゲルマン、C. M.クリステンセン、S. C.ウィールライト)

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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