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2006 年度 実績報告書

移動知における大脳辺縁系の役割

研究課題

研究課題/領域番号 18047001
研究機関北海道大学

研究代表者

津田 一郎  北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (10207384)

キーワード移動知ループ / 再求心性コピー / 遠心性コピー / 辺縁系 / 海馬 / 時系列情報 / カントルコーディング
研究概要

Walter J. Freemanの5つの情報ループで構成された知能の理論に基づいて、移動知の生成・消滅の機構に関する理論の構築をFreemanの情報ループを修正した"移動知ループ"の概念によって試みた。身体性を確立するために、再求心性コピーという新しい概念を導入し、それとvon Holstの遠心性コピーとの関係を論じた。ここで、身体性を身体に"現在"の感覚を構成する過程において現れるものと仮定した。この枠組みに基づいて、大脳辺縁系の一部である海馬の数学モデルを構築した。海馬は最新の臨床データによると過去の経験(エピソード)の想起だけではなく未来の事柄を想像することに必須の場所であると考えられているので、まさに"現在"の身体性の構築に必須の場所であると考えられるからである。特に、CA1のモデルとして、2-コンパートメントモデルを採用し、そのネットワークにパターン時系列を入力したときの応答を調べた。結果は、CA1錐体細胞層にカントル集合によって表現された神経回路の活動状態が得られた。このカントル集合は事象の時系列の長さに応じて階層的に時系列情報をコードすることができる。さらに、この間とる集合の生成気候を詳しく調べた。その結果、カントル集合を生成する神経回路内部にアフィン変換が創発され、そのルールを内部的に使ってコーディングが行なわれていることがわかった。さらに、このコーディングはCA1錐体細胞のスパイク時系列にデコードされることもわかった。これは、海馬においてIFS機構が正しく働く可能性を強く示唆しており、この機構によって、身体を通じた環境からの身体-環境相互作用情報がコードされる可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] フィードバック結合を持つネットワークにおける入力シグナルの伝播と保持2007

    • 著者名/発表者名
      伊藤孝男
    • 雑誌名

      物性研究 vol.87, No.4

      ページ: 598-599

  • [雑誌論文] A mathematical model for the hippocampus : Toward the understanding of episodic memory2006

    • 著者名/発表者名
      Y.Yamaguti
    • 雑誌名

      Abstracts : The 8th RIES-Hokudai International Symposium on [bi]

      ページ: 108-109

  • [雑誌論文] Controlling engine data : Nonperiodic fluctuations in a spark ignition engine of motorcycle and its stabilization2006

    • 著者名/発表者名
      K.Matsumoto
    • 雑誌名

      Abstracts : The 8th RIES-Hokudai International Symposium on [bi]

      ページ: 110-111

  • [雑誌論文] Chaotic itinerancy in gap junction-coupled class I^* neurons2006

    • 著者名/発表者名
      S.Tadokoro
    • 雑誌名

      Abstracts : The 8th RIES-Hokudai International Symposium on [bi]

      ページ: 112-113

  • [雑誌論文] 脳の中のカオス2006

    • 著者名/発表者名
      津田一郎
    • 雑誌名

      数学通信 第11巻第1号

      ページ: 6-14

  • [雑誌論文] 脳の数理-動的脳の側面から2006

    • 著者名/発表者名
      津田一郎
    • 雑誌名

      数学 第58巻第2号

      ページ: 133-150

  • [図書] カオス-力学系入門 第2巻(アリグッド、サウアー、ヨーク著)2006

    • 著者名/発表者名
      津田一郎(監訳)
    • 総ページ数
      227
    • 出版者
      シュプリンガー東京
  • [図書] カオス-力学系入門 第1巻(アリグッド、サウアー、ヨーク著)2006

    • 著者名/発表者名
      津田一郎(監訳)
    • 総ページ数
      227
    • 出版者
      シュプリンガー東京
  • [図書] 水滴系のカオス(ロブ・ショー著)2006

    • 著者名/発表者名
      佐藤譲(訳)
    • 総ページ数
      102
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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