研究課題
生物の研究に誇いて"階層性の発現"は"知の創発"につながる、基本的かつ重要な研究テーマである。研究代表者は、生物を理解するためには外界との相互作用が重要であると考え、常微分方定式の確率的切り換えという理論的な問題を定式化し、非線形動力学の観点から研究してきた。その結果、自己相似な階層構造を持ったフラクタルとして相互作用が特徴付けられ、相互作用のダイナミクスによって階層性が発現することを理論的な解析によって明らかにした。フラクタルは一般的に無限個の異なる次元によって定義されるマルチフラクタルによって定量化することが可能である。ただし、マルチフラクタルは離散力学系の解析を前提にしているために、連続力学系の取り扱いに拡張する必要がある。今年度は、全ての方向に対して等しい割合で体積が縮小する"等方的縮小性"の連続・離散混合力学系に限定して解析し、この場合にっいて定量的な結果を得た。さらに、等方的縮小性を持たない場合をより一般的に解析するために、"統計的縮小性"を導入し、より広い系に適応できる条件での解析を始めた。また、フラクタルな階層的応答と外界からのフィードバックとの関係を明らかにするための理論的解析に加えて数値実験的解析を進め、"移動知"における"移動"は運動としての時間変化であり、"知"とは外界との相互作用によって状態空間に不変集合として構成されるフラクタルな階層構造であるという独自な仮説を立てるに至った。
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