研究概要 |
本研究は,ラットと機械を融合させることにより,身体環境条件を任意に変化させることが可能なシステムを構築し,これによって,脳,特に蓮動中枢の環境適応特性の解明を図るものである.融合させる機械としては,(1)ラットの運動野の挿経情報によって制御される車両及び(2)ラットのトレーニングケージを改造し,ラットの運動野情報によって,給餌や給水などの動作が可能なロボティックケージの2つのジステムを当初計画とした.これらのシステムにおいては,運動指令信号と効果器との関係を任意に設定できるようにし,多点の神経信号計測,流路を備えた特殊な神経電極を用いることにより,脳の環境適応特性の解明を行うことを目的として遂行した. 平成18年度末までに,下記の課題を遂行した. A)神経信号による外部機器制御ステムの構築 ラットの運動指令信号を計測し,制御信号へと変換した上で,車両へと出力するシステムを現在開発中のものを改造する形で構築した.運動指令信号と車両運動との関係を任意に設定,さらにはダイナミックに変化させられるようにした. B)計測系の改良(多チャネル電極,及び流路電極) 神経電極の多チャネル化及び慢性化を図った.ラットの動きを拘束することなく,長期間安定した信号計測を可能にするために,電極の小型化,バッファアンプとの統合,防水化,についても検討を行った. また,流路神経電極を慢性的に使用するための改造を施した.ポンプとのを小型化し,薬液注入機能の慢性化について検討した. C)統合実験 上述の要素技術を統合し,システム(1)(ラットカー)における.身体環境変化と脳の適応特性の計測実験の予備的実験準備を行い,来年度へのシステムの準備を行った.
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