• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

高圧力顕微鏡の開発と生体システムへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 18048028
研究機関京都大学

研究代表者

西山 雅祥  京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (10346075)

研究分担者 岡本 憲二  京都大学, 大学院理学研究科, 講師(研究機関研究員) (40402763)
キーワード高圧力 / 光学顕微鏡 / 大腸菌 / 遊泳運動 / べん毛モーター
研究概要

本研究の目的は、高圧力下での光学顕微観測を可能とする「高圧力顕微鏡」を用いて、生体分子や細胞などの生体システムがどのような圧力応答を行うのか調べることにある。昨年度までの取り組みにより、研究代表者らは200MPaまでの耐圧性能をもつ光学顕微観測用の小型高圧セルの開発に成功してきた。大腸菌には、細胞本体から長くのびた「べん毛」とよばれる螺旋状の運動器官を回転させることで、推進力を発生させており、その運動能は光学顕微鏡下で容易に観察できる。本年度は、高圧力下で大腸菌の遊泳運動を観測することで、細胞運動の圧力応答について調べた。大腸菌の遊泳速度は、圧力の増加と共に低下し、80MPaでは遊泳運動停止した。その後圧力を下げると、再び運動し始めた。この可逆的な運動阻害は、140MPa程度の圧力まで可能であり、それ以上の圧力をかけると、遊泳運動を再開することはなかった。次に、テザードセルの系を用いて、高圧力下でべん毛モーター1個の運動計測を行ったところ、100MPa程度までは菌体の回転速度に変化はなく、その後、圧力と共に回転速度が低下することが明らかになった。したがって、大腸菌の運動機能は、圧力をかけることで、まず、複数あるべん毛間で同期がとりにくくなり、その後、べん毛モーターのトルク発生能が影響を受けることが明らかになった。来年度は、Na^+駆動型のべん毛モーターをもつ海洋性ビブリオ菌の運動計測を行うことで、べん毛モーターの圧力変調がイオンの取り込みか、それとも、トルク発生時のどちらに影響を与えるのか調べていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Microscopic Analysis of kinesin-microtubule complex under high hydrostatic pressures.2007

    • 著者名/発表者名
      Nishiyama M., Kimura Y., Terazima M.
    • 雑誌名

      Biophysical Journal

      ページ: 499A-500A

  • [雑誌論文] イオンの流れで駆動する生物分子モーター2007

    • 著者名/発表者名
      西山雅祥
    • 雑誌名

      化学 62・2

      ページ: 59-60

  • [雑誌論文] Development of a high-pressure microscope and its application to biological systems.2006

    • 著者名/発表者名
      Nishiyama M., Kimura.Y., Nishiyama Y., Terazima M.
    • 雑誌名

      Proceedings of International Symposium on Micro-NanoMechatronics and Human Science.

      ページ: 1-5

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi