研究概要 |
今年度は次の3つを目的として研究を進めた. 1.SOARS言語のグリッド基盤システム開発に関する研究:計算資源のボトルネック解消 2.SOARS利用環境の研究:モデル構築・結果の分析・検証・説明・理解のボトルネック解消 3.SOARSによる応用研究:社会の制度設計のための問題開拓を通じた,経済統計のデータ構造と新たなSocial Wareとなる社会インフラモデルの開拓 それぞれに対応する形で研究成果を記すと,次のようになる. 1.SOARSを並列計算用途に利用可能なSOARSポータブルグリッド環境の実現. 簡便に利用可能なポータブルグリッドシステムとして,ポータブルグリッドサーバは1CDリナックス+ポータブルHDD,クライアントは1CDリナックスのみで起動可能なシステムを構築した.このシステムによって,計算機の操作に慣れない社会科学系の研究者や実務家もグリッドシステムを利用することを容易にした.SOARSシミュレーション環境からは,ポータブルグリッドに対してタスクを送り込むことで計算量のボトムネックを解消できる.また,東工大TSUBAMEグリッドへの接続機能も用意し,高負荷な計算でも対応できるようにした. 2.SOARS利用環境の充実 GUI環境のビジュアルシェル,結果のアニメーション表示のアニメータの改良に加え,人間が参加するタイプのシミュレーションを構築可能なゲーミングビルダーのα版の構築を行った. 3.内閣府経済社会総合研究所との共同研究着手 現在,出口と榊の両名が内閣不経済総合研究所の客員研究員となり,SNA(国民経済計算)の統計体系を整備する計画を進めている.
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