研究課題
アルカデイン(Alc)は申請者が見いだした新規I型膜タンパク質である。Alcの機能解析を行う目的で結合タンパク質を探索したところキネシン-1の軽鎖(KLC)を同定した。AlcとKLCの結合を詳細に解析し、両タンパクが高い特異性をもち特異領域で相互作用を行うことを明らかにした。Alc-GFPをマウス初代神経細胞に導入し軸索輸送を全反射顕微鏡で観察し、順行輸送の速度を決定し、Alcがキネシン-1のカーゴであることを示した。これはKLCの発現をRNAiでノックダウンした神経細胞やKLCと競合的に結合するJIPタンパク質を過剰発現した神経細胞では、観察されなくなることから裏付けられた。JIPは他の膜タンパク質であるAPPとKLCの結合を介在することから、APP輸送とAlc輸送の関連性を解析した。その結果Alcが神経細胞で優勢な場合は、APPの軸索輸送が滞り、APPを含む小胞は細胞体および軸索で滞留した、このような細胞ではAPPの代謝産物であるβアミロイドの生成も上昇し、軸索輸送の変調が神経変性疾患を引き起こす可能性も示唆された。本研究はキネシン-1の新しいカーゴを見いだした研究として、EMBO.J.誌にin pressになっている。
すべて 2006
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