研究課題
脱ユビキチン(Ub)化酵素UBPYと共免疫沈降してくる結合タンパク質を質量分析を用いて同定した結果、14-3-3タンパク質がUBPYと結合することが明らかとなった。14-3-3タンパク質はこれまでに200種類以上の細胞内タンパク質と結合することが知られており、多くの場合、標的タンパク質のリン酸化依存的に結合してその酵素活性や細胞内局在などを制御する調節タンパク質である。14-3-3タンパク質はUBPYに存在する14-3-3結合コンセンサス配列RSYS^<680>SPにSer^<680>のリン酸化依存的に結合すること、この結合よりUBPYの酵素活性が抑制されることが明らかとなった。さらに、細胞分裂期にSer680が脱リン酸化されて14-3-3が解離しUBPYの酵素活性が上昇することがわかった。したがってUBPYが細胞分裂期に特異的な何らかの機能を有することが示唆された。そこで細胞分裂期におけるUBPYの局在を調べた結果、細胞質分裂の最終ステージにcentral spindleに局在することが明らかとなった。また、エンドソームで機能するもう1つの脱Ub化酵素AMSHもcentral spindleに局在することを見出した。さらにその領域で一過的に強いタンパク質Ub化が起きることを見出した。RNAiを用いた実験から、UBPYとAMSHは効率のよい細胞質分裂に不可欠であることが明らかとなった。さらに、central spindleにおいてUb化されるタンパク質の1つとして、細胞質分裂の際の膜融合に必要なv-SNAREタンパク質VAMP8を同定した。VAMP8がUBPYとAMSHによって脱Ub化されることも示された。これらの結果から、細胞質分裂がVAMP8を含むタンパク質のUb化と脱Ub化によりダイナミックに制御されていることが示唆された。
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