研究課題/領域番号 |
18050040
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小林 俊秀 理化学研究所, 小林脂質生物学研究室, 主任研究員 (60162004)
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研究分担者 |
岩本 邦彦 独立行政法人理化学研究所, 小林脂質生物学研究室, 基礎科学特別研究員 (30391874)
村手 源英 独立行政法人理化学研究所, 小林脂質生物学研究室, 研究員 (30311369)
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キーワード | コレステロール / 脂質プローブ / 低分子量Gタンパク質 / エンドサイトーシス / リサイクリングエンドソーム / 蛍光標識脂質 / 細胞密度 / rab11 |
研究概要 |
チャイニーズハムスター輸卵管由来細胞(CHO細胞)は細胞密度の上昇とともに細胞のコレステロールが増加する。低密度培養と高密度培養の二つの細胞群を用いていくつかの脂質プローブのエンドサイトーシスを測定したところ、低密度培養ではコレステロール類似体やスフィンゴミエリン類似体のリサイクリングエンドソームヘの輸送が観察された。一方、高密度培養ではリサイクリングエンドソームへの輸送は観察されなかった。蛍光標識ラクトシルセラミドのエンドサイトーシスは細胞密度の影響を受けないことから、限られた脂質のエンドサイトーシスが細胞密度によって影響を受けることが示唆された。高密度の細胞からコレステロールを除くと蛍光スフィンゴミエリンがリサイクリングエンドソームに輸送されることから、細胞密度に依存したエンドサイトーシスはコレステロールによって制御されていることが示唆された。細胞密度とコレステロールによって制御されているエンドサイトーシスの分子メカニズムを探るため、低分子量GTPase、rabタンパク質の細胞内分布を測定した。われわれの結果はrab11が細胞密度によって細胞内分布を変化させること、またこの変化はコレステロールによって影響を受けることを示している。さらにGTP型rab11は脂質プローブの輸送を初期エンドソームからリサイクリングエンドソームへと変化させた。これらの結果はコレステロールがrab11を介して膜脂質のエンドサイトーシス経路をコントロールしていることを示唆している。
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