研究課題/領域番号 |
18051019
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
高田 幸 独立行政法人理化学研究所, 免疫器官形成研究グループ, 研究員 (40392013)
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研究分担者 |
古関 明彦 独立行政法人理化学研究所, 免疫器官形成研究グループ, グループディレクター (40225446)
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キーワード | パキテン期 / XY体 / ポリコム群 / Scmh1 / ヒストン修飾 / SUMO |
研究概要 |
XY体は、減数分裂前期のパキテン期に現れるヘテロクロマチンドメインであり、そこではヘテロクロマチンに特異的なタンパクの結合やヒストン修飾がおこることが知られている。精子形成過程におけるXY体の形成は、相同部分の少ない性染色体同士が、安定に対合しさらには分離するために必要であると考えられている。また、減数分裂期におこる性染色体不活性化(Meiotic sex chromosome inactivation;MSCI)とも強く相関することが最近示された。XY体は、多くのヘテロクロマチン特異的なタンパクの集積やタンパク修飾によって特徴付けられている。例としてモノユビキチン化ヒストンH2A、リン酸化ヒストンH2AX、メチル化ヒストンH3K9、さらには、基質は不明であるが顕著なSUMOの集積を挙げることができる。しかしながら、XY体形成の分子メカニズムについて、多くは解明されていない。 ポリコム群複合体はクロマチン上に巨大なタンパク質複合体を形成して、染色体の高次構造の制御を介して転写抑制に寄与する。ポリコム群の一つであるScmh1の遺伝子欠損マウスを用いた解析から、ポリコム群複合体はパキテン期後期にXY体から排除され、その排除がXY体の機能的成熟に必要であることを示唆した。特に、XY体からのポリコム群の排除は、XY体へのメチル化ヒストンH3K9の集積と機能的にリンクしている事が示された。さらに今後は、ポリコム群の挙動がXY体においてどのように制御されているか、その結果として、ポリコム群がどのようにXY体におけるヒストン修飾に寄与しているのか、それがどのようにXY体の機能に寄与するのかを明らかにしていく。
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