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2007 年度 実績報告書

アセチルCoA合成酵素遺伝子欠損マウスの肥満抵抗性の分子基盤の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18052005
研究機関東京大学

研究代表者

酒井 寿郎  東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教授 (80323020)

キーワードアセチル-CoA合成酵素 / 肥満 / 運動 / 脂肪 / Kruppel like factor 15
研究概要

アセチル-CoA合成酵素(AceCS)は酢酸とCoAから、アセチル-CoAを合成する。AceCS2は骨格筋・心筋に主に発現し、絶食やI型糖尿病など、血中のグルコースが低下するとき、もしくはI型糖尿病などブドウ糖の利用が傷害されケトン体合成・利用が重要となるときに顕著に発現が上昇するが、個体レベルでの役割は不明である。そこで我々はアセチル-CoA合成酵素(II型)(AceCS2)遺伝子の欠損マウスの作成によってこの酵素の個体における役割を解析した。
AceCS2はケトン体である3-hydroxy-butyric acidやacetoacetateを基質とすることが予測されたが、これらの血中レベルは量群間で差は認められず、in vivoのRIのラベル体を腹腔内投与したクリアランス実験では、その後TCAサイクルでの代謝産物である^<14>CO_2の量にも差は認められなかった。しかしながら、AceCS2の最も強い基質であるアセテートは血中から代謝されず、呼気中へCO_2の代謝産物もほとんど検出されなかった。ガスクロマトフィーによる解析では、血中のアセテート濃度はAceCS2-/-マウスで6倍程度の増加が見られた。以上より、アセテートは、低血糖、糖尿病などのケトジェニックな状態で生産され、ケトン体や長鎖脂肪酸同様エネルギー源として必須なものであることが示された。そしてケトジェニックな状態で転写が上昇するAceCS2はこれらの代謝に必須であることが示された。KLF15はアミノ酸を分解する酵素群の転写制御を担い、絶食などでおこる低血糖時にグルコースを新生する重要な役割を担う転写因子であるが、これに加え、KLF15の標的遺伝子としてのAceCS2は絶食などグルコースを利用できないときに、アセテートをエネルギー源、あるいは糖新生に寄与する重要な役割を担うことが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] New Therapeutic Target for Metabolic Syndrome: PPARdelta2007

    • 著者名/発表者名
      Takahashi S, Tanaka T, Sakai J
    • 雑誌名

      Endocr J 54

      ページ: 347-357

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cooperative Interaction between Hepatocyte Nuclear Factor 4 {alpha} and GATA Transcription Factors Regulates ATP-Binding Cassette Sterol Transporters ABCG5 and ABCG82007

    • 著者名/発表者名
      Sumi K, Sakai J, et. al.
    • 雑誌名

      Mol Cell Biol 27

      ページ: 4248-4260

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Expression of liver X receptor alpha in rat fetal tissues at different developmental stages.2007

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto A, Sakai J, et. al.
    • 雑誌名

      J Histochem Cytochem 55

      ページ: 641-649

    • 査読あり
  • [雑誌論文] SOX6 Suppresses Cyclin D1 Promoter Activity by Interacting with beta-Catenin and Histone Deacetylase 1, and Its Down-regulation Induces Pancreatic beta-Cell Proliferation.2007

    • 著者名/発表者名
      Iguchi H, Sakai J, et. al.
    • 雑誌名

      J Biol Chem 282

      ページ: 19052-19061

    • 査読あり
  • [学会発表] ケトン体代謝をになうアセチルCo-A合成酵素欠損マウス坑肥満効果の分子基盤の解析2007

    • 著者名/発表者名
      酒井寿郎
    • 学会等名
      第80回日本内分泌学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-06-15

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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