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2007 年度 実績報告書

脂肪細胞より分泌される機能性膜小胞の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18052007
研究機関三重大学

研究代表者

青木 直人  三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (40242846)

キーワード膜小胞 / adiposome / MFG-E8 / adipocyte
研究概要

膜小胞の分泌機構を探るため,十分に分化した3T3-L1脂肪細胞をインスリン,TNF-α添加条件下および虚血誘導条件下で培養し,定法により膜小胞を集め,MFG-E8を始めとするマーカータンパク質に対するウエスタンブロット解析およびMMPをターゲットとしたザイモグラフィーを実施した。いずれの条件下でもアディポソーム主要タンパク質,MFG-E8の分泌量が増加し,各種阻害剤を用いた実験よりNF-κb経路がこの増加に深く関与することが明らかとなった。またマクロファージ(J774細胞)によるアディポソーム分泌制御の可能性を探るため非接触共培養(トランスウェル法),接触共培養系を用いて解析したところ,アディポソームを介したMFG-E8およびMMP-9の発現・分泌が有意に増加することを見出した。現在もsiRNAや中和抗体を用いてマクロファージに由来する原因分子の特定を行っている。
MFG-E8のELISAによる高感度測定法の確立のため新たにN末端のEGF様ドメイン,C末端のC2ドメインに対するウサギポリクローナル抗体を作成した。市販のキャプチャーモノクローナル抗体とこれらを組み合わせることにより数十ng/mL程度の測定が可能になりつつある。またMFG-E8のホスファチジルセリンに対する高親和性を利用したアッセイ法も同様に開発した。両解析法とも現状では3T3-L1脂肪細胞の培養上清であれば高感度でMFG-E8の測定が可能である。
MFG-E8ノックマウス(阪大・長田重一先生より分与)を用いて通常食,高脂肪食負荷実験に着手した。野生型に比べ抗肥満を呈する様子は今のところ観察していないが,今後各種血液パラメータの解析を通じ代謝状況の違いを明らかにする予定ある。また組織,細胞レベルでの解剖学的な違いについても順次解析する。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Visfatin is released from 3T3-L1 adipocytes via a non-classical pathway2007

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, M., et. al. (他7名)
    • 雑誌名

      Biochemical Biophysics and Research Communication 359

      ページ: 194-201

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification and characterization of microvesicles secreted by 3T3-L1 adipocytes: redox- and hormone-dependent induction of MFG-E8-associated microvesicles2007

    • 著者名/発表者名
      Aoki, N., et. al. (他7名)
    • 雑誌名

      Endocrinology 148

      ページ: 3850-3862

    • 査読あり
  • [雑誌論文] DUSP22/LMW-DSP2 regulates estrogen receptor-alpha-mediated signaling through dephosphorylation of Ser-1182007

    • 著者名/発表者名
      Sekine, Y., et. al. (他7名)
    • 雑誌名

      Oncogene 26

      ページ: 6038-6049

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 細胞外に分泌される膜小胞:構成成分と生物学的機能2007

    • 著者名/発表者名
      青木直人, 松田 幹
    • 雑誌名

      生化学(日本生化学会誌) 79

      ページ: 669-673

  • [雑誌論文] 脂肪細胞が分泌する機能性膜小胞(adiposome)の同定と分泌制御2007

    • 著者名/発表者名
      青木直人
    • 雑誌名

      薬学雑誌(日本薬学会誌) 127

      ページ: 11-12

  • [雑誌論文] アディポソーム:脂肪細胞が分泌する膜小胞2007

    • 著者名/発表者名
      青木直人
    • 雑誌名

      肥満研究(日本肥満学会誌) 13

      ページ: 209-211

  • [学会発表] 食品・天然物成分による脂肪細胞・組織の機能改変2008

    • 著者名/発表者名
      青木直人
    • 学会等名
      第24回臨床フリーラジカル会議
    • 発表場所
      メルパルク京都(京都市)
    • 年月日
      2008-03-28
  • [学会発表] 脂肪細胞が分泌する膜小胞(アディポソーム)-同定と分泌制御機構-2007

    • 著者名/発表者名
      青木直人
    • 学会等名
      日本生物物理学会北海道支部例会講演会
    • 発表場所
      北海道大学(札幌市)
    • 年月日
      2007-12-10
  • [学会発表] 脂肪細胞が分泌する膜小胞(アディポソーム)-同定と分泌制御機構-2007

    • 著者名/発表者名
      青木直人
    • 学会等名
      第12回アディポサイエンス研究会シンポジウム
    • 発表場所
      千里阪急ホテル(豊中市)
    • 年月日
      2007-08-18
  • [学会発表] 脂肪細胞が分泌する機能性膜小胞(adiposome)の同定と分泌制御2007

    • 著者名/発表者名
      青木直人
    • 学会等名
      第8回Pharmaco-Hematologyシンポジウム
    • 発表場所
      金沢エクセルホテル東急(金沢市)
    • 年月日
      2007-06-07
  • [学会発表] 脂肪組織リモデリングに関わるMMPはアディポソームに局在し,レドックスによる分泌制御をうける2007

    • 著者名/発表者名
      青木直人(他7名)
    • 学会等名
      第61回日本栄養・食糧学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都市)
    • 年月日
      2007-05-20
  • [学会発表] 抗酸化食品成分による活性酸素種をターゲットとした脂肪細胞・組織機能改変効果2007

    • 著者名/発表者名
      荒川恵梨菜(他4名)
    • 学会等名
      第61回日本栄養・食糧学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都市)
    • 年月日
      2007-05-20
  • [学会発表] 3T3-L1脂肪細胞から分泌されるアディポソーム(adiposome)にはマトリクスプロテアーゼが局在する2007

    • 著者名/発表者名
      青木直人(他7名)
    • 学会等名
      日本農芸化学会2007年度(平成19年度)大会
    • 発表場所
      東京農業大学(東京都)
    • 年月日
      2007-03-25

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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