• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

脂肪細胞の細胞周期制御機構を治療標的とした肥満症治療法の確立とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 18052012
研究機関近畿大学

研究代表者

阪上 浩  近畿大学, 医学部, 講師 (60372645)

キーワード脂肪細胞 / 肥満症 / メタボリックシンドローム / 細胞周期 / CDK2
研究概要

1.定量的脂肪細胞増殖評価法の確立と肥満ヒト患者での評価
細胞増殖マーカーであるOCNAやKi67を指標としてヒト肥満患者の皮下脂肪組織での発現とBMIおよび内臓脂肪量との関連を検討した結果、相関関係が認められOCNAやKi67の発現を指標に脂肪細胞増殖の評価が可能であることを証明した。
2.CDK2ノックアウトマウスの作出と解析
CDK2遺伝子の第2、第3エクソンの欠損するCDK2ノックアウトマウスの作成に成功した。このマウスの解析から、肥満発症時には脂肪細胞の増殖にCDK2が関与することを明らかとした。
3.脂肪細胞特異的CDK2ノックアウトマウスの作出と解析
CDK2遺伝子の第2、第3エクソンの両端に、1oxP配列を挿入した変異CDK2遺伝子を有するCDK2floxマウスと、脂肪細胞特異的にCreリコンビナーゼを発現するaP2-Creマウスとの交配により、脂肪組織特異的にCDK2を欠損するマウスの作成に成功した。このマウスの解析から、肥満発症時には脂肪細胞でのCDK2は関与しないことを明らかとした。
以上の結果より、肥満治療として細胞周期制御因子であるCDK2を治療標的とした肥満症治療の可能性が推定されたことより、CDK2阻害剤の効果を検討した。
4.CDK2阻害剤およびCDK2阻害ペプチドの抗肥満効果
CDK2阻害剤およびCDK2阻害ペプチドは遺伝的肥満モデルdb/dbマウスや高脂肪食給餌肥満モデルマウスに対して、抗肥満効果・抗糖尿病効果を有することを見出した。
すなわち、今回の研究課題により、脂肪細胞の細胞周期制御機構を治療標的とした肥満症治療法の確立のための基盤確立ができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Dok1 mediates high-fat diet-induced adipocyte hypertrophy and obesity throughmodulation of PPAR-gamma phospholylation.2008

    • 著者名/発表者名
      Tesuya Hosooka
    • 雑誌名

      Nat Med. 14

      ページ: 188-193

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Restoration of glucokinase expression in the liver normalizes postprandial glucose disposal in mice with hepatic deficiency of PDK12007

    • 著者名/発表者名
      Yasuo Okamoto
    • 雑誌名

      Diabetes. 56

      ページ: 1000-1009

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Skp2 controls adipocyte proliferation during the development of obesity.2007

    • 著者名/発表者名
      Sakai Tamon
    • 雑誌名

      J Biol Chem. 282

      ページ: 2038-2046

    • 査読あり
  • [学会発表] 脂肪細胞の分化・増殖機構の解明と肥満形成における役割に関する研究2007

    • 著者名/発表者名
      阪上 浩
    • 学会等名
      第28回日本肥満学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-10-21
  • [図書] 糖尿病学 カラー版 基礎と臨床2007

    • 著者名/発表者名
      阪上 浩
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      西村書店

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi