研究課題
本研究では、脳内神経情報伝達物質が骨関節系細胞において細胞間情報伝達に利用される事実に基づいて、骨関節系細胞における情報分子群について脳内ニューロンおよびグリア細胞における機能的発現の可能性を探索した。特に、Runt related factor-2(Runx2)は間葉系幹細胞から骨芽細胞への分化と成熟過程に必須の転写制御因子であるが、中枢神経系における発現解析は全く行われていない。したがって本研究ではRunx2に焦点を当てて、その中枢神経系における機能的発現の可能性を追究するとともに、一過性脳虚血時における病態生理学的役割について検討した。RT-PCR法による解析の結果、ラット大脳皮質由来培養アストログリア細胞およびC6グリオーマ細胞ともにRunx2のmRNA発現が認められた。C6グリオーマ細胞にRunx2の発現ベクターを導入すると、Matrix metalloproteinase-13(MMP13)のmRNA発現量が有意に上昇することが明らかとなった。次いで、中大脳動脈結紮(MCAO)ラット脳におけるMMP13発現を検討した結果、MCAO負荷により梗塞側でMMP13のmRNA発現量の著明な上昇が認められた。以上の結果より、Runx2は中枢神経系内でも特にアストログリア細胞に強く発現するだけでなく、MMP13の発現制御を介して脳虚血病態出現に何らかの関与を示す可能性が示唆される。
すべて 2008 2007 2006 その他
すべて 雑誌論文 (26件) 備考 (1件) 産業財産権 (4件)
Journal of Neuroscience Research (In press)
Neuroscience Letters 433
ページ: 183-187
Journal of Neurochemistry (In press)
Journal of Cellular Physiology (In press)
Cell and Tissue Research (In press)
Molecular Genetics and Metabolism (In press)
Bone 40
ページ: 337-344
Biochemical Pharmacology 73
ページ: 385-393
American Journal Physiology-Cell Physiology 292
ページ: 353-361
Journal of Neurochemistry 100
ページ: 1667-1679
American Journal of Pathology 170
ページ: 1277-1290
Journal of Cellular Physiology 212
ページ: 375-385
Neurochemistry International 51
ページ: 467-475
Journal of Cellular Physiology 213
ページ: 105-114
European journal of Pharmacology 567
ページ: 59-66
Neuroreport 18
ページ: 827-830
ページ: 721-729
European journal of Pharmacology 575
ページ: 1-11
Biochemical and Biophysical Research Communications 362
ページ: 1096-1100
Biological Psychiatry 62
ページ: 148-157
Journal of Cellular Physiology 215
ページ: 320-328
http://www.p.kanazawa-u.ac.jp/~yakubutu/index.html