研究課題
【目的・方法】海馬CA1領域の虚血に対する脆弱性の原因をニューロン・グリアの相互連関に求め、生体内Imaging法により虚血時のグルタミン酸を介したシグナル伝達を検討することを目的とした。ラット(体重300g)にてイメージングに適する4血管閉塞モデルを作成。Ca^<2+>濃度指示性蛍光色素であるfluo-3/AM(440μM、2.5μl)を海馬にmicroinjectionし、ファイバー共焦点顕微鏡(imaging fiberを共焦点スキャナ[CSU21,Yokogawa]とカップルさせたもの)で虚血前後の蛍光像を観察した。【結果】一過性(10min)前脳虚血負荷により、脳血流は海馬CA1およびCA3で共に約25%まで低下し有意差はなかった。血液中のHbにより励起光・蛍光共に吸収されるため、血流低下による蛍光強度の変化を評価する必要があり、蛍光ビーズを脳内にmicroinjectionし、虚血に伴う蛍光強度の変化を評価した。これにより虚血により蛍光強度は108士5%まで上昇したので、これにより補正した。海馬CA1領域では前脳虚血により血流再開後20分まで持続的に細胞内Ca^<2+>濃度が上昇していたが、CA3では細胞内Ca^<2+>濃度の上昇は虚血中見られず血流再開後軽度であった。【まとめ】この海馬CA1の特殊性が虚血に対する脆弱性の原因の一つである可能性がありさらに検討を行う。また、GFAP陽性細胞に選択的にCameleon(Ca^<2+>濃度指示性の蛍光蛋白)が発現するようベクターの組み替えを行い、electroporation法によりadultratにおいて、脳内の任意の部位にinsituでCameleonを発現させることが可能になったが、必ずしもGEAP陽性細胞に選択的に発現しない上に、明るい蛍光を発する細胞は機能が残存しておらず、虚血時におけるグリア細胞のカルシウム反応を検討するための課題を残している。
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