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2006 年度 実績報告書

ATPおよびニコチンによるミクログリアの機能調節と神経保護作用発揮の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 18053017
研究機関広島大学

研究代表者

仲田 義啓  広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (40133152)

キーワードミクログリア / ATP / 神経保護 / TNF / P2X_7受容 / NO / ニコチン / α7受容体
研究概要

ミクログリアにはさまざまな神経伝達物質の受容体が発現し、その細胞機能を厳密に制御すると考えられる。これまでに我々は、ATPおよびニコチンが、それぞれP2X_7受容体およびα7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7受容体)の活性化を介して、ミクログリアの神経保護作用発揮に役割を果たす可能性を明らかにしてきた。つまり、ミクログリアの過剰活性化は神経変性につながる炎症を引き起こすが、ニコチンによるα7受容体の活性化はこの過剰活性化を抑制する。一方、ATPによるミクログリアのP2X_7受容体活性化は神経保護作用を引き起こし、ニコチンはこの作用に対しては促進的な調節をかける。ミクログリアに発現するこのα7受容体は、神経型とは異なりイオンチャネル活性は示さず、ホスホリパーゼC(PLC)の活性化とIP_3感受性Ca^<2+>ストアからのCa^<2+>放出を引き起こすが、ニコチンによるミクログリアの活性調節、すなわち、LPS誘発TNF遊離の抑制、BzATP誘発TNF遊離の促進、BzATP誘発Ca^<2+>反応の増強、のいずれの反応もIP_3受容体遮断薬xestospongin Cにより抑制が認められたことから、このCa^<2+>シグナルカスケードがα7受容体を介した機能調節に重要な働きをすることが示された。また、ニコチンによるCa^<2+>反応はチロシンキナーゼ阻害薬で抑制され、α7受容体からPLC活性化の機序にチロシンリン酸化が関与する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Microglial α7 nicotinic acetylcholine receptors drive a Phospholipase C/IP_3 pathway and modulate the cell activation towards a neuroprotective role2006

    • 著者名/発表者名
      T.Suzuki, I.Hide, A.Matsubara, C.Hama, K.Harada, K.Miyano, M.Andra, H.Matsubayashi, N.Sakai, S.Kohsaka, K.Inoue, Y.Nakata
    • 雑誌名

      Journal of Neuroscience Research 83

      ページ: 1461-1470

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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