研究課題/領域番号 |
18053026
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
平瀬 肇 理化学研究所, 平瀬研究ユニット, ユニットリーダー (90392084)
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研究分担者 |
三嶋 恒子 独立行政法人理化学研究所, 平瀬研究ユニット, 研究員 (90415307)
高田 則雄 独立行政法人理化学研究所, 平瀬研究ユニット, 研究員 (50415212)
酒谷 誠一 独立行政法人理化学研究所, 平瀬研究ユニット, 研究員 (40391958)
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キーワード | グリア / アストロサイト / 神経活動 / 大脳皮質 / 海馬 / 二光子イメージング / 細胞内記録 / in vivo記録 |
研究概要 |
海馬及び大脳皮質のグリア細胞の電気生理学的研究は、in vitroの実験系では詳細な実験が行われてきたが、in vivoの状態での実験は少ない。その理由の一つとして、非発火性の細胞から記録される信号(膜電位変動)が、グリア細胞由来であるかの確認が困難なことがある。最近我々は、麻酔下のラット海馬および大脳皮質の非発火性細胞からの細胞内記録法を確立し、膜電位動態を観測した後、biotiny lated dextran amine (BDA-10000)をトレーサーとして用いることにより、記録後のグリア細胞の形態を確認した。形態の可視化には、ABCおよびtyramide増感法を用いた。当実験法によりラベルされた非発火性細胞の中、約7割がアストロサイトであった。細胞内記録されたアストロサイトの単一細胞ラベル化が可能となり、アストロサイトの膜電位動態が確実に計測できるようになった。等手法は、海馬・皮質で見られる様々な脳波振動に対するグリア細胞の膜電位変化、癲癇などの病態時のグリア細胞の膜電位変化の計測に役立つと期待される。 また、成熟した脳の大脳皮質アストロサイトのin vivoでの動態を計測するために二光子励起顕微鏡を用いてカルシウムイメージングを行った。その結果、大脳皮質の第一層と第二・三層では、自発カルシウム発火活動を有するアストロサイトの割合が有意に異なることが分かった。また、アストロサイトの自発カルシウム発火活動は、神経細胞群の発火活動に異存しないメカニズムであることが確認された。
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