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2006 年度 実績報告書

ヘム依存性転写制御複合体の構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 18054002
研究機関北海道大学

研究代表者

石森 浩一郎  北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (20192487)

研究分担者 内田 毅  北海道大学, 大学院理学研究院, 助手 (30343742)
キーワードIrr / 酸化的修飾 / 活性酸素種 / ROS / ヘム生合成 / ペプチドマッピング / 転写制御
研究概要

本年度は,このIrrによる転写制御機構の解明を目指して以下の点について検討を行った.
1.Irrにおける酸素活性化機構
Irrは分子状酸素を活性化してROS(Reactive Oxygen Species)を生成し,このROSがペプチド鎖を攻撃することにより酸化修飾が起き,この酸化修飾が端緒となってIrrの分解が進行すると考えられている.このような酸化修飾を実験的に確認するため,「Oxy Blot」法を用いて,ペプチド鎖の典型的な酸化修飾例であるカルボニル化を検出することを試みた.その結果,Irrはヘムと分子状酸素,還元剤(DTT)存在下において10分以内にカルボニル化されることが確認され,このような反応は他のヘム蛋白質,たとえば酸素貯蔵蛋白質であるミオグロビンではほとんど進行しないことが明らかとなった.以上の結果はIrrが分子状酸素を高い効率でROSに変換すること,さらにそのROSによってペプチド鎖が修飾されること,このような反応はヘム蛋白質においてもIrrで特異的に起こっていることを示している.
2.Irrにおける酸化修飾部位の同定
以上のようなROSによる酸化修飾がどの部位に起こっているのか検討するため,質量分析計によるIrrのペプチドマッピングを行った.その結果,酸化修飾条件下では,分子量3130のN末端側22残基のペプチドに対応するピークの強度が減少し,新たに分子量3246が現れたことから,この領域のアミノ酸残基が酸化修飾を受けたことを示している.このN末端領域はIrrにおけるヘムの配位子であるCys29とも近いことから,ヘムによって産生されたROSが攻撃する場所としても妥当であると考えられる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular Basis of Guanine Nucleotide Dissociation Inhibitor Activity of Human Neuroglobin by Chemical Cross-linking and Mass Spectrometry2007

    • 著者名/発表者名
      Chihiro Kitatsuji
    • 雑誌名

      J. Mol. Biol. (印刷中)

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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