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2007 年度 実績報告書

真核生物の複製装置形成に関与する蛋白質複合体の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18054033
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

鎌田 勝彦  理化学研究所, 平野染色体ダイナミクス研究室, 専任研究員 (70360526)

キーワードDNA複製 / 蛋白質複合体 / DNAポリメラーゼ / X線結晶構造解析 / レプリソーム / GINS
研究概要

真核生物の染色体の複製は、複製開始点から細胞周期のDNA合成期に一度だけ行われるように厳密に制御されている。DNA複製フォークの形成過程で、GINS複合体(Sld5-Psf1-Psf2-Psf3)は、複製ヘリカーゼの構造形成に関与すると考えられ、DNAポリメラーゼのローディングも示唆されている。
この複合体蛋白質の構造機能相関を目的に、4種のサブユニットを同時発現させ、その結晶をを調製し立体構造解析した。そして様々なGINSサブユニットの変異体を作製し、複合体の安定性を評価したところ、Sld5のBドメインはその複合体形成に非常に強く関わっているが、一方でPsf1のBドメインは構造形成に関与していないことがわかった。また、アフリカツメガエルの卵抽出液を用いて、野生型GINS複合体を免疫除去後、ヒト組換変異GINS複合体を再添加し、複製活性やクロマチン結合画分を調査することでGINS複合体上の機能部位の特定を行った。この結果、Psf1のBドメインが複製の初期反応に重要であり、このドメインを介してCDC45蛋白質と同時に複製初期反応にMCMヘリカーゼの構造的成熟に関与していることがわかった。つまり、GINSコア複合体は複製初期反応に重要なPsf1のBドメインの構造安定化に寄与していると考えられる。構造情報が欠損しているPsf1のBドメインは、類似構造からモデル作製することができ、Sld5のサブユニット結合に相当するアミノ酸を露出していることがわかった。これらのアミノ酸変異も複製活性に影響したため、GINSはこれらの残基を介して他の因子に結合していると推測された。以上の結果は昨年の立体構造の結果とあわせ論文で報告した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Structure of the human GINS complex and its assembly and functional interface in replication initiation.2007

    • 著者名/発表者名
      Katsuhiko Kamada
    • 雑誌名

      Nat. Struct. Mol. Biol. 14

      ページ: 388-96

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 真核生物の複製制御因子GINS複合体の構造解析2007

    • 著者名/発表者名
      鎌田勝彦
    • 雑誌名

      日本結晶学会誌 49

      ページ: 286-291

  • [学会発表] 真核生物の複製制御因子GINS複合体の構造解析2007

    • 著者名/発表者名
      鎌田勝彦
    • 学会等名
      「生体超分子構造」第4回公開シンポジウム
    • 発表場所
      大阪,千里ライフサイエンスセンター
    • 年月日
      20071218-19
  • [学会発表] GINS複合体のX線結晶構造解析2007

    • 著者名/発表者名
      鎌田勝彦
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会(BMB2007)
    • 発表場所
      横浜,パシフィコ横浜
    • 年月日
      20071211-1214

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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