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2006 年度 実績報告書

ウイルス感染に対抗する遺伝情報DECODEシステムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 18055015
研究機関京都大学

研究代表者

藤田 尚志  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (10156870)

研究分担者 米山 光俊  京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (40260335)
キーワードヘリカーゼ / ウイルス / インターフェロン / 遺伝子発現 / 遺伝子アレイ / 転写制御 / 自然免疫 / 二重鎖RNA
研究概要

ウイルスが宿主に感染するとそれを感知して一連の反応が引き起こされる。重要な反応としてはインターフェロン系の誘導が古くから知られている。インターフェロン系の恒常的な活性化は宿主のホメオスタシスに害をもたらすため、この反応は高度に制御されている。我々はウイルスの感染を感知してこの反応を誘導する重要な機能を持つRIG-Iファミリーのヘリカーゼを発見した。また、RIG-Iを人為的に加工することにより、細胞外から薬剤を用いてそのシグナルを活性化して防御反応を誘導するシステムを作り出した。この方法はウイルス感染を全く用いないで宿主の反応を再現できる利点がある。このシステムを用いて様々な細胞においてRIG-Iの活性化を行い、活性化される遺伝子群の検索をDNAアレイを用いて網羅的に解析した。活性化される遺伝子は大きく3つに大別されることが明らかとなった。まず、RIG-Iの活性化によって選択的に活性化される遺伝子群があった。ここにはインターフェロン遺伝子群が含まれる。次にはこのようにして活性化されたインターフェロンによって二次的に活性化されると考えられる遺伝子群が同定された。ここにはIRF-7,IRF-9などが含まれる。興味深いことにはこれら遺伝子は一度分泌されたインターフェロンに依存しており、インターフェロン受容体の無い細胞においてはRIG-I活性化のシグナルによっては全く活性化されなかった。あとの遺伝子群はRIG-I、インターフェロンどちらの活性化シグナルによっても誘導される遺伝子であり、RIG-I,MDA5,LGP2などの遺伝子が含まれることが明らかとなった。特にRIG-Iファミリーの遺伝子が直接活性化されることはこの系が強いポジティブフィードバックの制御下にあることを示しており、生理的な制御に重要であると考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Regulation of innate antiviral defenses through a shared repressor domain in RIG-I and LGP22007

    • 著者名/発表者名
      Saito, T.et al.
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA 104

      ページ: 582-587

  • [雑誌論文] Viral Infections Activate Types I and III Interferon Genes through a Common Mechanism2007

    • 著者名/発表者名
      Onoguchi, K.et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem 282

      ページ: 7576-7581

  • [雑誌論文] Viral and therapeutic control of IFN- β promoter stimulator 1 during hepatitis C virus infection2006

    • 著者名/発表者名
      Loo, Y-M.et al.
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA 103

      ページ: 6001-6006

  • [雑誌論文] Role of alpha/beta interferon response in the acquisition of poliovirus susceptibility of kidney cells in culture2006

    • 著者名/発表者名
      Yoshikawa T.et al.
    • 雑誌名

      J.Virology 80

      ページ: 4313-4325

  • [雑誌論文] Differential role of MDA5 and RIG-I in the recognition of RNA viruses2006

    • 著者名/発表者名
      Kato, H.et al.
    • 雑誌名

      Nature 441

      ページ: 101-105

  • [雑誌論文] NAP1 (NAK-associated protein 1) participates in both the TLR3 and the cytoplasmic pathways in type I interferon induction2006

    • 著者名/発表者名
      Sasai, M.et al.
    • 雑誌名

      J.Immunology 177

      ページ: 8676-8683

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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