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2007 年度 実績報告書

転写因子による脳の領域化と小脳神経細胞サブタイプ決定機構

研究課題

研究課題/領域番号 18055017
研究機関京都大学

研究代表者

星野 幹雄  京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (70301273)

キーワード神経系 / 発生 / 神経細胞異動 / 運命決定 / 変異マウス / 小脳 / 大脳皮質 / 転写因子
研究概要

PtflaとMath1は発生途上の小脳以外の神経系でも発現している。まずPtflaを発現する神経上皮由来の神経細胞の全脳的fate mapを作成した。Ptfla-lineageにある細胞は、視床下部腹内側核、蝸牛神経核(特に背側核)、三叉神経脊髄路核、孤束核、下オリーブ核などに認められた。これらは既報の
Math1-lineageの細胞とは明らかに異なるpopulationである。後脳神経管の神経上皮におけるMath1とPtflaの発現を調べたところ、Math1発現領域が最背側であるが、Ptflaはそれよりやや腹側の領域で発現していることがわかった。つまり、後脳においても異なる種類のbHLH型転写因子を発現する神経上皮領域から異なる種類の神経細胞が生み出されているということである。また、さらに下オリーブ核を生み出す尾側後脳神経管についてより詳細に調べた。Ptflaのヌル変異体では、下オリーブ核が形成されないということがわかった。変異体では、本来下オリーブ核神経細胞へと分化するはずの細胞が、正しく移動して下オリーブ核のあるべき場所へと移動できず、またその分化マーカーをきちんと発現できないことが観察された。以上から、Ptflaは尾側後脳のある限られた神経上皮領域で発現し、下オリーブ核の発生に必須な役割を果たしていることが明らかになった。現在、尾側後脳を含む複数の脳領域で「bHLH型転写因子による神経上皮の領域化」モデルの検証に努めているところである。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Opposing roles in neurite growth control by two 7-pass transmembrane cadherins.2007

    • 著者名/発表者名
      Shima, et. al.
    • 雑誌名

      Nature Neurosci. 10

      ページ: 963-969

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regulation of dendritogenesis via a lipid raft-associated Ca2+/calmodulin-dependent proteini kinase CLICK-III/CaMKIg2007

    • 著者名/発表者名
      Takemoto-Kimura, et. al.
    • 雑誌名

      Neuron 54

      ページ: 755-770

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Localized activation of Pak1 controls neuronal polarity and morphology2007

    • 著者名/発表者名
      Jacobs, et. al.
    • 雑誌名

      J. Neurosci. 27

      ページ: 8604-8615

    • 査読あり
  • [雑誌論文] LNeurabin-I is phosphorylated by Cdk5: implications for neuronal morphogenesis and cortical migration.2007

    • 著者名/発表者名
      Causeret, et. al.
    • 雑誌名

      Molecular Biol. Cell 18

      ページ: 4327-4342

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Origin of climbing fiber neurons and their developmental dependence on Ptfla.2007

    • 著者名/発表者名
      Yamada, et. al.
    • 雑誌名

      J. Neurosci. 27

      ページ: 10924-10934

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Epac signaling pathway involves STEF a guanine nucleotide exchange factor for Rac to regulate APP processing.2007

    • 著者名/発表者名
      Zaldua, et. al.
    • 雑誌名

      FEBS Letter 581

      ページ: 5814-5818

    • 査読あり
  • [学会発表] Molecular strategy to produce a variety types of neurons2007

    • 著者名/発表者名
      星野幹雄
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-12-14

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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