研究課題/領域番号 |
18056020
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
平井 優美 理化学研究所, 代謝システム解析ユニット, ユニットリーダー (90415274)
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研究分担者 |
森岡 涼子 独立行政法人理化学研究所, メタボローム情報ユニット, リサーチアソシエイト (90415323)
澤田 有司 独立行政法人理化学研究所, 代謝システム解析ユニット, リサーチアソシエイト (00415176)
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キーワード | トランスクリプトミクス / メタボロミクス / 共発現 / グルコシノレート / 生合成 / 転写因子 / メチオニン / 高速分析 |
研究概要 |
アミノ酸は植物が環境から取りこんだ無機体窒素・硫黄の最初の同化産物であり、その代謝の理解は窒素・硫黄原子のさまざまな一次・二次代謝産物へのフローの理解につながる。硫黄欠乏条件へ移植したシロイヌナズナのトランスクリプトームとメタボロームの経時変化を解析し、両データを一括学習自己組織化マッピング法(BL-SOM)により統合解析した。アミノ酸を生合成前駆体とする二次代謝産物グルコシノレート類の蓄積とその生合成酵素遺伝子群の発現がそれぞれ同調的に変化していた。BL-SOMにおいてグルコシノレート生合成酵素遺伝子群と同じクラスターに分類された遺伝子の中から、グルコシノレート生合成酵素遺伝子の転写制御因子候補を見出した。一方、シロイヌナズナマイクロアレイデータベースAtGenExpressに登録されているトランスクリプトームデータを利用して様々な実験条件を通じて保存されている共発現遺伝子群を解析し、上記の候補転写因子が、アミノ酸のうちメチオニンを前駆体とするグルコシノレートの生合成酵素遺伝子群を特異的に制御することを予測し、予測機能を逆遺伝学的手法などにより証明した。PMG1(Production of Methionine-derived Glucosinolate 1)と名づけたこの遺伝子は、生合成経路上でメチオニンの下流にあるグルコシノレート生合成酵素遺伝子群のみならず、メチオニンの上流つまりメチオニン生合成酵素遺伝子をも制御している可能性を示すデータが得られており、メチオニン量を制御している可能性がある。また、アミノ酸を高速ハイスループット分析する方法を確立し、約4,000のシロイヌナズナトランスポゾンタグラインの種子を分析した。アミノ酸のいずれかが過剰蓄積したラインが約1割の頻度で見つかり、その原因遺伝子はアミノ酸生合成または蓄積を制御する因子である可能性が示された。
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