研究課題
極性形成に関わる2つの蛋白質複合体「Pins-Gai複合体」と「Par-aPKC複合体」はindependentに働くわけではなく、ショウジョウバエではInscuteable(Insc)というアダプター分子によって連結され(クロストークし)協調して機能することが知られている。本研究の目的は、哺乳類細胞の極性形成にいて「Pins-Gai複合体」や「Par-aPKC複合体」が果たす役割を明らかにし、その作用機構を解明することであるが、平成19年度は以下のような成果を得た。(1)ヒトInsc(平成18年度に私達が単離したもの)について、その発現パターンを明らかにするとともに、ヒトInscのPar3との結合領域およびLGN(Pinsの哺乳類ホモログ)との結合領域をそれぞれ同定した。(2)新規Par3結合蛋白質であるPar3BMP1(平成18年度に私達が単離して上皮細胞の極性形成に必要なことを明らかにした膜蛋白質)が、Par3BMP1は上皮細胞の細胞間接着部位に集積して局在して働くことを示した。また、Par3BMP1の細胞外ドメインの精製に成功し、このドメインがホモフィリックに結合することを見出した。(3)新規Par6結合蛋白質として、WD40リピートをもつ可溶性蛋白質Par6BP1(Par6-bindingproteinl)を同定した。Par6はそのPDZドメインを介してPar6BP1と結合した。またPar6BP1が上皮細胞の極性形成に重要な機能を担うことを示した。
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