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2006 年度 実績報告書

染色体分配を司る微小管ダイナミクスとそれを制御するOrbitネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18058011
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

井上 喜博  京都工芸繊維大学, ショウジョウバエ遺伝資源センター, 講師 (90201938)

研究分担者 山本 雅敏  京都工芸繊維大学, ショウジョウバエ遺伝資源センター, 教授 (10142001)
キーワード染色体分配 / 微小管 / Orbit / プロテオミクス / ミオシン / 細胞質分裂
研究概要

微小管結合タンパクOrbitは、紡錘体微小管の先端にチューブリン分子を付加する活性を持ち、これが染色体の動き等を生み出す微小管ダイナミクスの原動力になっている。そのorthologueは広く真核生物に保存されている。orbit突然変異体では、分裂中期における染色体の整列、後期における分配、そして細胞質分裂の開始も異常となる。Orbitは、細胞分裂の進行に伴い、紡錘体微小管の他に中心体、キネトコア、セントラルスピンドル上にも局在が認められる。FRAP実験の結果から、このタンパクは細胞分裂装置と細胞質との間を行き来している動的なタンパクであることが明らかとなった。Orbitは、分裂期を通じて微小管ダイナミクスの制御に中心的な役割を演じるが、細胞分裂の各ステージに特異的な染色体などの動きが生みだされるためには、Orbitに加えてこれと相互作用するタンパクの役割が重要と考えられる。Orbitと相互作用するタンパクを同定するために、プロテオミクス解析をおこなった。大腸菌で発現させたGSTタグつきのOrbitを初期胚抽出液中に添加してGSTプルダウンをおこなった。共沈されたタンパクをSDS-PAGE後、検出されたポリペプチドをLC-MS/MSにて解析し、マスコットサーチによりタンパクの同定を試みた。その結果、Orbit結合タンパクの候補として、non-muscle myosin II heavy chain、細胞皮層のタンパクであるβスペクトリン、Toucanタンパク、Dynein heavy chain (Dhc64C)などが同定された。これらのタンパクとOrbitとの関連を確かめるために、現在、Orbitとの免疫共沈、細胞内共局在、遺伝学的相互作用の解析をおこなっている。さきに、雄減数分裂細胞においてOrbitがその分裂後期にセントラルスピンドルから収縮管上に移動することをみいだした。この細胞では、中心体より伸長した星状体微小管の+端が細胞皮層に接触した位置で分裂溝の陥入が開始される。Orbitは微小管の+端に集積されるが、このときOrbitを介してMyosin IIと微小管系が相互作用し、それが収縮管形成のトリガーとなるというモデルが考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Transcriptional regulation of the Drosophila rfcl gene by the DRE-DREF pathway.2007

    • 著者名/発表者名
      Tsuchiya, A., Inoue, Y.H., Ida, H., Kawase, Y., Okudaira, K., Ohno, K., Yoshida, H., Yamaguchi, M.
    • 雑誌名

      FEBS J. 274

      ページ: 1818-1832

  • [図書] -日本の遺伝学の潮流- Orbit/Claspタンパクファミリーによるショウジョウバエの染色体ダイナミックス2007

    • 著者名/発表者名
      安藤至, 鈴木隆夫, 井上喜博
    • 総ページ数
      340
    • 出版者
      NTS出版
  • [図書] モデル遺伝資源としての「ショウジョウバエ」2007

    • 著者名/発表者名
      山本雅敏
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      秀潤社
  • [図書] バイオデーターべース Flybase2006

    • 著者名/発表者名
      山本雅敏, 山本美暁
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      秀潤社

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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