昨年度の研究では、テロメア二本鎖結合タンパク質であるTazlと染色体一本鎖に結合するRPAの二重変異株(taz1Δ rad11-D223Y)のテロメアが消失し、taz1Δ rad11-D223Y rqh1Δ三重変異株のテロメアは維持される事を明らかにしている。そこで年度はpot1Δrqh1Δ二重変異株を作成し、テロメアの有無を調べると共に、pot1Δrqh1Δ二重変異株の性質を調べるごとにより、Pot1とRqh1の機能を明らかにすることを目的とした。その結果、pot1Δrqh1Δ二重変異株のテロメアが一定の確立で維持される事を明らかにした。また、Rqh1のヘリケ-ス活性が無い変異株rqh1-K547Aに形質転換を行いpot1Δrqh1Δ-K547A二重変異株を取得し、この株のテロメアも一定の確立で維持されることがわかった。さらに、pot1Δrqh1Δ二重変異株の染色体の状態を調べるためにPu1sed Fie1d Ge1 Electrophoresis (PFGE)を行い、こめ二重変異株の染色体が線状で維持されている事、染色体構造に異常がある事を明らかにした。この染色体の異常が細胞周期の何処で起こるりかを調べるために、薬剤を用いたSPOT解析を行った結果、この二重変異株は微小管重合阻害剤TBZ感受性であることを明らかにし、Pot1及びRqh1の不在によって染色体分配時に異常が起こる可能性を明ちがにしだ。さらにpot1Δrqh1Δ二重変異株は高温で生育できないことを発見した。pot1Δrqh1Δ二重変異株に相同組換え因子のRhp51を破壊したpot1Δrqh1Δ三重変異株はテロメアが維持されず染色体が環状化することもわかった.
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