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2006 年度 実績報告書

ユビキチンライゲースRAD18による複製、修復、組換えの制御、統括システムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18058017
研究機関熊本大学

研究代表者

立石 智  熊本大学, 発生医学研究センター, 講師 (00227109)

キーワードRAD18 / 複製後修復 / 損傷トレランス / 損傷乗り越え複製 / ユビキチン / 幹細胞 / 染色体 / ポリメラーゼ
研究概要

1.Rad18タンパクによるDNA損傷の認識および損傷乗り越え複製酵素ηの誘導機構の解明。損傷を乗り越えて複製する能力をもつ複製酵素であるηは、複製の正確度が低いため、厳密に制御されている。我々は、RAD18タンパクがチミンダイマーを含む2本鎖DNAおよびフォーク型DNAに、特異的に結合することを見つけた。Rad18タンパクのSAPドメインが、これらのDNA構造の認識に関与している。RAD18欠失細胞に、SAPドメイン欠失RAD18タンパクを発現させても、DNA損傷に応答しておこるRAD18タンパクおよび損傷乗り越え複製酵素ηの核内局在変化がみられず、UV感受性を回復させる能力も失っていた。また、この変異RAD18タンパクは、PCNAをモノユビキチン化する活性も失われていた。この反応系でPCNAは、DNAにロードされた状態にあり、変異RAD18タンパクはDNAに対する結合力が低下しているため、ユビキチン化活性も低下したためと考えられる。このため、正常なRAD18は損傷部位を認識しセンサーとして、損傷部位および複製停止部位に結合し、PCNAをモノユビキチン化するメディエーターとして、損傷乗り越え複製酵素ηの細胞内局在を制御していることが示された。また、RAD18欠損細胞では、DNA損傷に応答してηだけでなくポリメラーゼιの細胞内局在の変化もみられないことが判明した。このため、RAD18はηだけでなくポリメラーゼιの局在や活性を制御していることが強く示唆された。
2.Rad18ノックアウトマウスの発癌に関する研究。Rad18欠損マウスは老化に伴い、精巣を構成する生殖細胞が欠落することが判明した。RAD18遺伝子の欠損により、染色体の微小な欠失・転座がおこり、そのため主に幹細胞が特異的に除去されている可能性を検証するため、SKY-FISHおよびaCGHを行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2002

すべて 雑誌論文 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Rad18 regulates DNA polymerase κ and is required for recovery from S-phase checkpoint-mediated arrest.2006

    • 著者名/発表者名
      Bi, X
    • 雑誌名

      Mol. Cell. Biol. 26巻

      ページ: 3527-3540

  • [雑誌論文] Effect of DNA repair protein Rad18 on viral infection.2006

    • 著者名/発表者名
      Lloyd, A. G.
    • 雑誌名

      PLoS Pathogens. 2巻・5号

      ページ: E40

  • [雑誌論文] Human RAD18 is involved in S phase-specific single-strand break repair without PCNA monoubiquitination.2006

    • 著者名/発表者名
      Shiomi, N
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Research 35巻・2号

      ページ: E9

  • [産業財産権] 遺伝子欠損細胞2002

    • 発明者名
      立石 智
    • 権利者名
      JST
    • 公開番号
      特開2003-304872(P2003-304872A)
    • 出願年月日
      2002-04-17

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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