研究課題
IL-4/IL-13遺伝子間領域の、哺乳動物において保存された配列(CNS-1)を欠失すると、IL-13遺伝子下流に見いだされた複製起点oriIL-13が、ほとんど検出されなくなることから、CNS-1はoriの選択に重要であることが示唆された。複製タイミングを解析したところ、IL-4、IL-13遺伝子を発現するTh2細胞でも、発現しないTh1細胞でも、この領域は非常に早いS期に複製した。セルソーターを用いて、細胞周期の各フェーズの細胞を分画したが、非常に早いS期に複製する領域は、G1期の分画で最も強いシグナルが検出された。Th1、Th2細胞で複製タイミングに差が見られないことから、この染色体領域の遺伝子発現に関与するヒストン修飾(H3K9/14のアセチル化、H3K4のジメチル化)やDNAメチル化の差異は、複製タイミングに影響しないことが明らかとなった。oriIL-13が選択されないCNS-1欠失においても、Th1、Th2細胞において、非常に早いS期に複製した。これは複製起点のひとつが失われても、周辺の複製起点から流入する複製フォークにより、複製タイミングに大きな変化がおきないことを示している。IL-4/1L-13遺伝子領域の周辺、約3Mbほどの領域について複製タイミングを解析すると、ほとんどS期の早い時期であり、この領域に含まれる複製起点が、ある程度同調して複製を開始する可能性が示唆された。
すべて 2006
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The Journal of Immunology 176
ページ: 5446-5454