研究概要 |
新しい哺乳動細胞の複製起点として,IL-13遺伝子流にoriIL-13を,新生鎖DNAを定量PCRにより測定することで同定した。この複製起点は,遺伝子発現活性やヒストン修飾などの状況が大きく異なるTh1とTh2細胞において,共通に検換出される。複製起点として機能することを支持するデータを集める為,複製タンパク質がorioriIL-13に結合していることを,クロマチン免疫沈降法により解析した。利用可能なマウス複製タンパク質に結合する抗体は非常に限定されているため,マウスOrc2,Orc4,Orc5に反応するポリクローナル抗体の作成をおこない,マウスOrc2およびOrc5に対する抗体は得られたが,クロマチン免疫沈降には今後使用する予定である。市販のものとして,pre replicative complexの構成分子のひとつであるcdc6に対する抗体を用いたクロマチン免疫沈降をおこない,Th1/Th2細胞においてoriIL-13周辺にcdc6が結合していることを示した。GO期にあると考えられるナイーブT細胞では,充分なクロマチン量を得ることができず,解析できなかったが,Th1/Th2に分化を誘導した後,G1期にある細胞と,再活性化により増殖している細胞では,cdc6のoriIL-13に対する結合が認められ,Th1/Th2での差異やG1了期と細胞周期を回っている状態の細胞での差異は認められなかった。欠失マウス由来のT細胞の解析から,oriIL-13の複袈活性を制御していることが示唆ざれ,種を超えて保存された制御領域であるCNS-1領域には,Th1/Th2細胞ではcdc6は結合していなかった。興味深い点は,ES細胞でoriIL-13へのodc6の結合が認められことで,発生の早期から複製起点として機能していることが示唆された。またES細胞ではCNS-1へのcdc6の結合が検出ざれた。さらにOrc複合一体など他の複製タンパク質の結合が認められるか、今後検討する。
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