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2006 年度 実績報告書

染色体の均等分配におけるPlk1とAuroraキナーゼ群のクロストークの役割

研究課題

研究課題/領域番号 18058026
研究機関愛知県がんセンター(研究所)

研究代表者

後藤 英仁  愛知県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 室長 (20393126)

キーワード染色体分配 / Cdk1 / Aurora-B / Plk1 / Chk1 / プロテインキナーゼ
研究概要

染色体の複製・分配過程の調節には、状況に反応して特異的に活性化されるプロテインキナーゼが中心的な役割を果たしている。しかし、それぞれのプロテインキナーゼがどのように染色体動態を制御しているのかについては不明な点も多い。我々は、以下の2つのシグナル伝達経路に注目し研究を行い、染色体分配のメカニズムを解明するうえで端緒となる知見を得た。
1)分裂期キナーゼ間のクロストーク機構による染色体分配制御
我々は、Cdk1がAurora-Bの結合パートナーであるINCENPのThr59とThr388をリン酸化することを明らかにした。このINCENPのThr388のリン酸化反応は、分裂前期から中期にかけてのPlk1の動原体局在、および、分裂中期から後期への進行に重要な役割を担っていることが判明した。以上の結果は、INCENP上でAurora-BとPlk1が3者複合体を形成していること、さらに、これらの2つの分裂期キナーゼが協調しながら分裂期の染色体動態を制御している可能性を示すものといえる。
2)サイクリン依存性キナーゼによる新規Chk1リン酸化反応
以前より、Chk1は、紫外線照射やDNAの複製停止によって活性化されたATRにより、そのSer317およびSer345がリン酸化されることが知られていた。我々は、分裂期において、このChk1がCdk1によってもリン酸化されることを見いだし、そのリン酸化部位としてSer286およびSer301を同定した。さらに、このリン酸化反応は、Cdk阻害剤によって抑制されることが判明した。以上の結果は、Cdk1が普遍的にChk1の制御を行っている可能性を示すものと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Complex formation of an INCENP required for Metaphase-anaphse transition.2006

    • 著者名/発表者名
      Hidemasa Goto et al.
    • 雑誌名

      Nature Cell Biology 8・2

      ページ: 180-187

  • [雑誌論文] Regulation of mitotic function of Chk1 through phosphorylation at novel sites by cyclin-dependent kinase 1 (Cdk1).2006

    • 著者名/発表者名
      Takashi Shiromizu et al.
    • 雑誌名

      Genes to Cells 11・5

      ページ: 477-485

  • [図書] 分子細胞治療、-特集 蛋白質修飾-リン酸化2007

    • 著者名/発表者名
      後藤英仁, 稲垣昌樹
    • 総ページ数
      4-9
    • 出版者
      先端医学社

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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