研究概要 |
アクティブゾーンは神経終末において、神経伝達物質の放出を厳密に制御する極めて重要な構造体である。アクティブゾーンを構成する特異的な構造蛋白質群としては、CAST, ELKS, Bassoon, Piccolo,RIMl,Mumc13-1などが知られており、これらはCASTを介して巨大な分子複合体を形成している。一方、重要な機能分子としてはカルシウムチャネルが存在している。本年度は生化学的手法を用いて、カルシウムチャネルに結合する分子群の同定を試みた。マウス大脳から可溶性画分を調整し抗カルシウムチャネル抗体による免疫沈降実験や、大腸菌で発現させたカルシウムチャネルの細胞質内ドメインを用いたpull downアッセイを行ったが、候補どなる蛋白質の同定には至らなかった。そのため、yeast-twohy brid用のコンストラクトの作製を行い、スクリーニングを開始した。また、今後、アクティブゾーン蛋白質との直接の相互作用を検討する予定である。カルシウムチャネル複合体には今回解析したアルファサブユニットの他にベータサブユニットが知られている。最近、ベータサブユニットがヂャネル機能を持ったアルファサブユニットの局在と機能発現に影響を与えることが明らかになりつつあることから、ベータサブユニットについても同様の解析を行う予定である。
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