研究課題/領域番号 |
18059020
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金澤 浩 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50116448)
|
研究分担者 |
福山 恵一 大阪大学, 理学研究科, 教授 (80032283)
三井 慶治 大阪大学, 理学研究科, 助手 (60379279)
松下 昌史 大阪大学, 理学研究科, 助手 (50403100)
|
キーワード | NA^+ / H^+交換輸送蛋白質 / イオン輸送トランスポートソーム / 細胞内局在制御 / 遺伝子破壊細胞 / イオン能動輸送機構 |
研究概要 |
細胞膜や細胞内小胞膜に存在し細胞内のイオン環境とりわけpHとNa^+濃度の制御に関与するNa^+/H^+交換輸送蛋白質(NHEまたはNha)について、トランスポートソームとして実態と全体像を明らかにすることを研究目的とした。特に哺乳類NHEの相互作用蛋白質の解析と新規蛋白質の探索、NHEのモデルとしての細菌、酵母Nhaの機能解析を行った。成果は次の3点に亘る。 (1)哺乳類のNHEに相互作用するCHPについて遺伝子欠失細胞を確立した。この細胞ではNHEの量が正常の数%に減少すること、CHP遺伝子の再発現でこの減少が回復することを発見した(Amer.J.P印刷中)。さらにCHPのない状態のNHEはほとんど細胞内膜系に存在し、CHPの過剰発現により細胞膜へ移行することを明確にした。さらに、細胞内膜系NHE6と7について、それぞれの細胞内局在化機構に関わるNHE分子内構造を明らかにした(論文準備中)。(2)酵母の細胞質膜局在性のNhaは細胞質膜においてラフト様構造に存在することを突き止めた。さらに、ラフト形成のできない変異株では、細胞膜へNhaは局在できないことが明らかになった。(3)ピロリ菌のNhaAの機能変異体の解析を行ってきたが、この成果の一部をBiochemistry誌に発表できた。さらに結晶構造決定を目指し、大量にピロリ菌Nhaの大量精製評品の調製に成功し、一部結晶が得られた。さらにNhaA分子を分断化し部分構造の安定性、また分断化したものからの機能NhaAの再構成を調べた。その結果、12回の膜貫通領域のN末端8とC末端4の貫通領域を独立に大腸菌内で発現しても機能あるNhaA分子を再構成できることなど含めて多くの新知見を得た(2007年3月米国生物物理学会発表、論文準備中)。(以上の内容を2006年夏に開催したシンポジュームや、国際生化学会において発表した。
|