研究概要 |
<細胞内CAa^<2+>信号の電気信号への変換機構におけるトランスポートソーム機能と構造実体の解析>2型リアノジン受容体(RyR2)異型接合性欠損マウス膀胱平滑筋を用いてRyR2の寄与を明らかにした。膀胱平滑筋においてRyR2を介した自発Ca^<2+>遊離(Ca^<2+>spark)の発生とそのCa^<2+>信号をSTOCsという電気信号に変換するトランスポートソーム機能は,尿貯留・排泄調節という膀胱機能発現において根源的な果たす役割を果たすことが示され,当該トランスポートソームの実体はカベオラ構造内に存在することが強く示唆された。さらにこのような信号機構がカハール間質細胞において生じ,ペースメーカー電位発生の根源となっている可能性を再構築系を用いて明らかにした。 <大コンダクタンスCa^<2+>活性化K^+(BK)チャネルのβサブユニット特異的開口物質の発見>電位感受性蛍光色素のDiBAC_4(3)および関連オキソノール色素にBKチャネルβ1およびβ4サブユニット選択性(β2には無効)を有するBKチャネル開口作用があることを発見し,創薬の可能性を示した。 <一分子可視化によるCa^<2+>信号から電気信号への変換トランスポートソームの機能解析>トランスポートソームにおけるCa^<2+>信号から電気信号への変換に関する分子機構解明における新たな手法として一分子レベルでの可視化技術を導入した。全反射蛍光顕微鏡とホールセルクランプ法の併用により,電位固定化で細胞膜直下200nm以内でのナノスケールの蛍光分子動態が測定可能となった。また記録電極からCa^<2+>蛍光色素Fluo4を細胞内に導入し,脱分極刺激時の膜直下の局所Ca^<2+>濃度変化をナノスケールで計測することが可能となった。この方法を用いて電位固定化でのチャネルを中心としたトランスポートソーム機能の定量的ナノイメージング解析を行った。トランスポートソームの信号変換分子機構を解明する上で一分子可視化技術は画期的な技術となる可能性を示した.
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