研究課題/領域番号 |
18059035
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研究機関 | 国立循環器病センター(研究所) |
研究代表者 |
若林 繁夫 国立循環器病センター(研究所), 循環分子生理部, 部長 (70158583)
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研究分担者 |
久光 隆 国立循環器病センター(研究所), 循環分子生理部, 室員 (50327946)
西谷 友重 国立循環器病センター(研究所), 循環分子生理部, 室長 (50393244)
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キーワード | 生体分子 / 蛋白質 / プロテオーム / シグナル伝達 / バイオテクノロジー |
研究概要 |
Na+/H+交換輸送体(NHE, SLC9)は、制御系の極めて発達したトランスポータファミリーである。これまでの研究から、普遍型NHE1のC末細胞質ドメインにはさまざまな制御分子群が結合し、シグナルを集積する一つの機能制御複合体を形成することが明らかになりつつある。公募研究一年目は、HAタグ標識したNHE1を細胞に高発現して抗HA抗体樹脂を用いてNHE1を精製し、それに伴って共精製されてくるタンパク質を同定する試みを行った。これに付随して、i)NHE1に強固に結合するサブユニットは何個あるのか、ii)NHE1の生合成に際して、N末端に存在するシグナルペプチドのC末端側においてどの残基で切断されるか、という疑問に答える実験を行った。 まず、HAタグ標識NHE1と未標識NHE1を安定に発現する細胞株を樹立した。これらの細胞を界面活性剤で溶解し、抗HA抗体樹脂を用いてNHE1を精製する方法を確立した。NHE1とともに既知のCHP1が精製されてくることがわかった。シプロルビー染色によってNHE1とCHP1の量比を定量したところ、NHE1分子あたり一分子のCHP1、すなわちNHE1ダイマー当たり二分子のCHP1がサブユニットとして常に結合することが判明した。しかし、CHP1以外の1:1で強固に結合しているタンパク質は検出されなかった。また、NHE1のN末アミノ酸配列を解析したところ、LQLSP…という配列が出現し、形質膜に発現するNHE1はGly36とLeu37の間で切断されることがわかった(論文執筆中)。 また、CHP1以外の結合タンパク質を同定するため、ゲルからバンドを切り出しLC-MS/MS解析を行ったところ、少なくとも3個の新規(未報告)の結合タンパク質が発見された。
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