糖-核酸トランスポーターは、小胞体やゴルジ体の膜上にあり、細胞質で生成された糖-核酸を小胞体やゴルジ体の内腔に輸送する蛋白質である。輸送された糖-核酸は、様々な蛋白質や脂質の糖修飾に用いられる。申請者らは、Fringe-Connection (FRC)と呼ばれる新規の糖-核酸トランスポーターを同定し、それがすべてのゴルジ体にはなく、ごく一部のゴルジ体に局在し、ごく一部の蛋白質の糖修飾にだけ関与することを見い出した。しかし、FRC以外のトランスポーターについては、ほとんど解析がなされていない。そこで、本研究では、FRC以外のトランスポーターについても、一部のゴルジ体にしか局在しないものがあるのか、さらに、その曲在によって糖修飾の特異性が制御されているのかを明らかにする予定である。本年度、データベースから抽出したトランスポーターについて、タグを付加し、ショウジョウバエ固体で発現させて、細胞内の局在を詳細に解析した。特に、すべてのゴルジ体に局在するのか、一部のゴルジ体だけに局在するのかに着目して解析し、一部のゴルジ体だけに局在するトランスポーターを同定した。さらに、トランスポーター同士の局在を比較して、同じゴルジ体に局在するトランスポーターのグループと異なるゴルジ体に局在するトランスポーターグループなどに分類し、トランスポーターの種類と局在についての詳細なリストを作成している。さらに、トランスポーターをノックアウトし、その表現型を解析する準備を開始した。
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