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2006 年度 実績報告書

造血幹細胞の非対称性自己複製を誘導する細胞外分子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 18060011
研究機関東京大学

研究代表者

依馬 秀夫  東京大学, 医科学研究所・産学連携研究員(特任助教授) (50344445)

キーワード再生医学 / 移植・再生医療 / 発生・分化 / シグナル伝達 / 造血幹細胞
研究概要

造血幹細胞の運命の選択肢は自己複製、分化、アポトーシスに大別される。申請者らは造血幹細胞をサイトカイン存在下で培養系すると、非対称性の自己複製をある確率で起こすことを見出した。また、ある特殊な条件下を除き、細胞分裂前に運命決定が起きることはなかった。これらの結果は造血幹細胞の運命は主に細胞分裂を介して起きることを示唆した。そこで、本研究ではサイトカインで誘導される造血幹細胞の分裂を基本型として、分裂後の運命に影響を及ぼす細胞内外のシグナルを明らかにすることを目的とした。造血幹細胞は生体内ではある特定の部位(niche)に局在し、nicheからのシグナルによって制御されていると考えられた。そこで、申請者らは造血幹細胞に特異的に発現する遺伝子によって造血幹細胞をマーキングし、nicheの局在を明らかにすることを試みた。一方、細胞内のシグナルを解析するためにSingle-cell immunostaining法を独自に確立した。この方法を用いて、niche因子候補の細胞内シグナルの解析を行った。マウス造血幹細胞にはα4β1,α5β1,α6β1インテグリンが高発現し、一部の造血幹細胞にはαvβ3,αIIaβ3インテグリンが発現していることを見出した。また、インテグリンリガンドによって造血幹細胞にシグナルを入れることが可能であった。精製されたWnt3a蛋白によって造血幹細胞内のβカテニンシグナルを活性化することができたが、報告されたような自己複製を誘導することはできないことが明らかとなった。TGFβ superfamilyは造血幹細胞の休眠状態維持に重要な役割を果たしていると想定されたが、休眠状態にある造血幹細胞では、実際にSmadシグナルが活性化していることが明らかとなってきた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Lnk negatively regulates self-renewal of hematopoietic stem cells by modifying thrombopoietin-mediated signal transduction2007

    • 著者名/発表者名
      Seita
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA 104

      ページ: 2349-2354

  • [雑誌論文] Adult mouse hematopoietic stem cells : purification and single-cell assays2006

    • 著者名/発表者名
      Ema et al.
    • 雑誌名

      Nat Protoc 1

      ページ: 2979-2987

  • [雑誌論文] Discordant developmental waves of angioblasts and hemangioblasts in the early gastrulating mouse embryo2006

    • 著者名/発表者名
      Furuta et al.
    • 雑誌名

      Development 133

      ページ: 2771-2779

  • [雑誌論文] Non-side-population hematopoietic stem cells in mouse bone marrow2006

    • 著者名/発表者名
      Morita et al.
    • 雑誌名

      Blood 108

      ページ: 2850-2856

  • [雑誌論文] Cytokine signals modulated via lipid rafts mimic niche signals and induce hibernation in hematopoietic stem cells2006

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki et al.
    • 雑誌名

      Embo J 25

      ページ: 3515-3523

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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