特定領域研究「巨大ひずみ」は平成18年8月より、(I)巨大ひずみによる高密度格子欠陥の導入と微細組織形成過程の定量的理解および(II)巨大ひずみ材料のメカニクス(力学応答)に対する理解(特に、高強度と高延性の両立について)の2点を課題目標として研究を行ってきた。本終了研究はこの目標を完了すべく進めた。 研究結果をまとめるにあたり、5月、6月に各計画班代表者による幹事会を開き協議した。7月末には2日間にわたって、現在進行中の未発表分も含めこれまで行ってきた研究成果の報告会を開催した。この報告会はオープンにし会社、材料に関する学協会にも広く案内し研究成果に対する意見を求めた。本報告会に先立って研究成果主要論文集を冊子にして参加者および関係者に配布した。事後評価ヒアリングに向かって9月に2回準備のための幹事会を開催し、また計画班主要メンバーと個別に打ち合わせてまとめた。事後評価リングでは、当初の目的が十分に達成されたとして「A」判定をうけた。また、「金属学及び関連学問分野や産業分野への貢献度についても大きく、応用開発への広がりが期待できることから、今後は新材料のさらなる開発につなげられることを期待する。」とのコメントをもとに、新たに新学術領域研究への申請に向けて動き出すことになった。 海外への情報発信として、引続きニュースレターを発行し、関係者に配信すするとともに、「巨大ひずみ」関する欧文誌特集号も企画して発行した。ドイツと米国で行われた巨大ひずみ超微細粒に関する国際会議に研究代表者が参加して、本特定領域に関する研究成果を発表するとともに、世界の動向を調査し、本研究の方針は他に例がない特徴的なものであることを確認した。
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