研究課題
高品質Si/Ge/Siヘテロ構造を実現するためには、Si上へのGeエピタキシャル成長と同様に、Ge上へのSiエピタキシャル成長制御が重要になってくる。本年度は、ECR Arプラズマ照射下でのSiH_4反応による歪緩和Ge(100)基板上へのSi薄膜形成について研究を進め、原子レベルでの表面ラフネスや歪量について調べた。RHEED及びAFMによる評価結果から、84%歪緩和したGe上に堆積したSi薄膜は、平坦度(RMS値0.3nm以下)を保ってエピタキシャル成長することを見いだした。また、可視光レーザラマン散乱分光スペクトルにおける490〜515cm^<-1>の低波数域ピーク積分強度が堆積したSi膜厚にほぼ比例するとともに、ピークが無歪Siの位置に漸近していくことを見いだし、Si膜厚の増加とともに歪緩和が進行していることを明らかにした。特に、Si膜厚1.7nmの場合のピーク位置が格子定数差4%の面内引張り歪に相当することから、84%歪緩和したGe(100)にほぼ格子整合しているものと推定した。また、熱処理した場合のラマンシフト量の変化から、歪Si膜厚3.9nm以上の場合には歪Si薄膜の歪量はほとんど変化しない一方、歪Si膜厚1.7nmの場合には500〜600℃で若干の歪緩和(ラマンシフト量の増加)が生じていることを見いだした。以上のように、ECR Arプラズマ照射下でのSiH_4反応により、84%歪緩和Ge(100)上における高平坦歪Siエピタキシャル成長を可能にした。特に、歪Si膜厚1.7nmにおいては、格子定数差4%程度の引張り歪が生じていることを見いだした。また、500℃以上の熱処理により歪Siの歪緩和が生じることを明らかにした。
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Semicond. Sci. Technol. 22
ページ: S38-S41
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Abstracts of 2nd Int. Workshop on New Group IV Semiconductor Nanoelectronics (Tohoku Univ., Sendai, Japan, Oct. 2-3, 2006)
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