本研究ではHigh-k絶縁膜を用いた金属ナノドット新型不揮発性メモリの実現を目指している。金属ナノドットは従来のシリコンナノドットに比べて大きな仕事関数を有するために、電荷保持特性が格段に優れている。そのうえHigh-k絶縁膜によって金属ナノドットと制御ゲートとの容量結合効率が大きいこと、ゲルマニウムなどの新チャネル材料との組み合わせが容易に可能であることによって、大きなセンスマージンと高速動作を実現することができる。また、本研究ではタングステンをはじめ、コバルト、白金など様々な金属ナノドットを連続的に成膜することで多重ナノドット層内にポテンシャル勾配を形成できる点が画期的である。リークパスとなる部分とそれ以外の部分とでポテンシャルを変調することにより、電荷保持特性と書き換え特性を両立できる。このような、従来にない仕事関数制御を行った不揮発性メモリの実現を目指す。
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