研究課題
1.ナノキャパシタンスの量子効果ポストスケーリング半導体テクノロジーにおいては、ナノ構造での物理量の同定が極めて重要である。中でもキャパシタンスはその一例である。我々は第一原理量子論に基づく、キャパシタンス計算手法を定式化し、二重炭素ナノチューブでのキャパシタンスに応用した。その結果、古典的キャパシタンス値からの大きな増加とキャパシタンスの顕著なバイアス電圧依存性を見出した。2.ナノ界面でのショットキーバリア界面におけるショットキーバリア高さはこれまで界面を構成する2種類の物質問に生じる界面電気二重層によって決定されると考えられていた。ところが、MOS半導体デバイスのように、金属/絶縁体/半導体のような3種類の物質が積層構造を作っており、中間に存在する絶縁体の膜厚がナノスケールになってくると、上記の常識が破綻することを理論的に示した。MOS構造を構成する絶縁体は左右両側に2つの界面を有するが、右側の界面で酸化反応がおこり、酸化空孔が生じ、比較的高い位置に酸素空孔準位が存在すると、左側の金属のフェルミレベルが低いときには、酸素空孔準位に存在する電子は左側の金属に流れ込む。このように右界面でおこる酸化反応が、左界面のショットキーバリア高さを支配することがナノスケールの界面では容易に起こりうるという新概念を提案した。本研究結果は、Hf系絶縁膜上の金属ゲートにおいて観測されているフェルミレベルピニングの物理的起源と考えられる。3.歪みチャネル層における原子空孔歪みチャネルを用いた高移動度化はポストスケーリングテクノロジーとして極めて重要である。我々は第一原理量子論により、二軸性圧縮歪みを受けたGeチャネル層においては、単原子空孔の形成エネルギーが歪みの無いGeの場合に比べて約1.3eV減少し、ほぼ半分になることを見出した。
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