研究課題
量子サイズにまで微細化したナノシリコンにおいて生じる可視発光、弾道電子放出、超音波放出について、特性向上とデバイス化の基礎検討を行った。研究項目毎の成果を以下に示す。(1)発光特性:ナノ構造シリコンに導入した高圧水蒸気アニール(HWA)の条件制御により、従来の赤色発光とは別に、安定な青色発光が得られることを見いだした。この効果を、PLにおいて励起光の偏光がどの程度メモリされるかという点から分光解析し、赤色発光はナノドット内の励起子に、青色発光は表面酸化膜に起因することを明らかにした。またHWAにより発光効率を高めた試料にレーザー色素を含浸させたナノコンポジットを作製してPLの偏光メモリ効果の解析を行い、ナノドットにおけるエネルギー伝達過程の存在を実証した。(2)弾道電子放出:従来の真空中応用に加えて、大気圧ガス中での動作性能を確認した。また表面の疎水化処理を追加し、当初の計画を越えて、純水などの液体中での動作にまで研究を展開させた。水溶液中では、電気分解で必要な対向電極や電解質なしにH^+を還元し、H_2のみを生成する。この効果は、水素生成と同時に溶液のpH値や水素溶存量の増大をともない、多様な応用につながることが判明した。(3)音響機能:ナノシリコンの熱誘起音波発生について、その特質を出力効率、指向性、周波数特性、インパルス応答などの点から総合的に明らかにした。これに基づき、先に報告した3次元空中センサ、非接触アクチュエータの他に、小動物の超音波交信機構の解析、任意波長での超音波指向性制御、デジタルスピーカーなど、従来の圧電素子では困難であった新規応用の方向を定めることができた。
すべて 2008 2007 その他
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件) 学会発表 (15件) 図書 (2件) 備考 (1件)
Appl. Phys. Lett. 91
ページ: 2119021-3
Appl. Phys. Lett. 90
ページ: 1635051-3
Brain Research. 1163
ページ: 91-99
J. Vac. Sci Technol. B 25
ページ: 661-666
J. Vac. Sci. Technol. B 25
ページ: 524-527
Jpn. J. Appl. Phys. 46
ページ: 3462-3465
physica status solide(a) 204
ページ: 2141-2144
Physica status solidi(a) 204
ページ: 1302-1306
映像情報メディア学会誌 61
ページ: 387-392
ページ: 6218-6221
ページ: 3645-3647
ページ: 633-637
http://www.tuat.ac.jp/~koslab/