研究課題/領域番号 |
18063009
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岩井 洋 東京工業大学, フロンティア研究センター, 教授 (40313358)
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研究分担者 |
服部 健雄 東京工業大学, フロンティア研究センター, 客員教授 (10061516)
筒井 一生 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60188589)
角嶋 邦之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (50401568)
PARHAT Ahmet 東京工業大学, フロンティア研究センター, 特任准教授 (00418675)
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キーワード | トランジスタ / 3次元構造 / ロバストネス / FinFET / ゆらぎ / 特性ばらつき / ショットキー / オン電流 |
研究概要 |
三次元構造MOSFETの代表としてFinFETに注目し、デバイスシミュレーションにより、構造ゆらぎに起因するデバイス特性のばらつきの解明とその制御方法を研究してきた。前年度まではデバイスのしきい値電圧のばらつきについて、複合する揺らぎ要因に対する感度解析をおこない、短チャネル効果が関与する要因としない要因に切り分けて体系化することの有効性を明らかにした。最終年度である今年度は、同様の手法をトランジスタのオン電流のばらつきに対して適用して検討した。その結果、オン電流ばらつきがしきい値電圧ばらつきによって引き起こされることに加えて、オン電流ばらつきに特有の要因として新たに寄生抵抗成分の寄与を考慮する必要性を明らかにした。寄生抵抗の揺らぎに対する感度係数が高くなる構造では寄生抵抗の低減が必要かつ有効であることを示した。また、チャネル領域への不純物ドーピングについて、微細化のレベルの異なる寸法領域に拡張して検討した。不純物濃度の統計的ゆらぎを回避するためにはチャネル領域にはドーピングしない方が有利であるという従来の考え方が、短チャネル効果が充分に抑えられている場合に限定的に成り立つものであり、短チャネル効果が大きい状態ではむしろチャネルへのドーピングがトータルの特性ばらつき抑制には有効であることを示した。以上の知見を基に、将来の三次元MOSFETの特性ばらつきに対するロバスト性を高めるための設計指針となる知見をまとめて提示した。 将来の三次元構造MOSFETに有効な金属ソース・ドレイン構造を目指して、障壁高さを最適に制御した金属/半導体接合を実現するシリサイド形成技術の実験研究では、開発したNiにEr層を積層してシリサイド形成する方法を用い、SOI上でSB-MOSFETの試作を行った。その結果、トランジスター動作の確認ができまたEr層の挿入によるドレイン電流の増加も観測され、開発した手法のSOI上のデバイスおける有用性も実証された。
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