研究課題/領域番号 |
18063010
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
田部 道晴 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (80262799)
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研究分担者 |
池田 浩也 静岡大学, 電子工学研究所, 准教授 (00262882)
猪川 洋 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (50393757)
ラトノ ヌルヤディ 静岡大学, 創造科学技術大学院, 助教 (70402245)
小野 行徳 NTT, 物性科学基礎研究所, 主任研究員 (80374073)
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キーワード | 電子デバイス・機器 / 電子・電気材料 / トンネル現象 / シリコンナノデバイス |
研究概要 |
(1)単一ドーパントのイオン化検出と光照射効果 SOI型多重接合単正孔FETを用いて、すでに低温(~15K)で下地基板中のB原子が1個ずつ印加電界によってイオン化していく現象を観測している。この事実は、本デバイスが下地基板の素電荷程度の帯電に感受性があることを示しており、従って下地基板で吸収されるフォトンに対しても高感度で検出できる可能性がある。実際に、可視光を照射すると、p-Si層中で生成された電子によって、顕著な単正孔電流の増加が見られた。フォトン感度については、今後の検討課題である。 (2)Pをドープしたナノワイヤ単電子FET これまで、PをドープしたSOI-FETは、ランダム配置の多重接合となっているにも関わらず、ゲートに交流バイアスを印加することにより、単電子転送が可能であることを示してきた。19年度は、シミュレーションによってその原理的理解を深めるとともに、ドーパント濃度をパラメータとしたデバイスの実験を開始した。シミュレーションの結果、一般にばらつきを大きくしていくほど転送成功確率が増加すること、転送電子の動きをアシストするように他の電子の協力現象が見られることを見出した。今後、実験との対応関係を明確化させていく。 (3)バイクリスタル層の応力評価(木村班(他の計画班)と連携) 2枚の(001)SOIウエハを、直接貼り合わせることにより界面に転位網が形成され、転位によるポテンシャルの空間変化を用いた新しい構造のSET特性を調べている。19年度は、他の計画班(木村班)の協力を得て、X線反射回折法による歪量の定量的評価を行った。その結果、下部Si層が薄くて欠陥が多量に導入されている場合は、上部Si層の歪は小さいことがわかった。SET特性との関連付けを進めている。
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