研究課題/領域番号 |
18063011
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
堀 勝 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80242824)
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研究分担者 |
高島 成剛 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 研究員 (80397471)
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キーワード | カーボンナノウォール / カーボンナノ構造体 / 界面構造 / 接触抵抗 / トランスミッションライン法 / ラピッドサーマルアニール / 単一架橋カーボンナノウォール / 電子ビーム励起プラズマ |
研究概要 |
ナノメーターサイズのグラファイトによって構成されているカーボンナノウォールの電子物性制御技術の確立と新機能を探索することを目的に、下記に示す研究課題を実行し、知見を得た。 1.カーボンナノウォールと基板・金属界面構造と金属接触特性 カーボンナノウォールの電気特性を調べる上で、基板・金属界面と金属接触特性の評価は重要である。そこで、カーボンナノウォールをSi、石英、Ti金属膜上に成長させ、基板・金属界面構造に対してX線回折を用いて構造評価を行った。その結果、Si、Tiではそれぞれアモルファス層、TiCの中間層が見られたのに対して、石英基板上では中間層は殆ど見られなかった。基板・金属を変えることで、界面に生成される中間層が変ることが判明した。また、カーボンナノウォールと種々の金属の接触抵抗の評価に対してトランスミッションラインモデル法を用いて行った。アルミニウム、チタン、銅、金、ニッケル、白金をカーボンナノウォールの表面に蒸着した結果、金で1.3×10^-4Ω・cm^2と最も低い値となった。さらにラピッドサーマルアニールにより熱処理を行った結果、カーボンナノウォールと金の接触抵抗は3.9×10^-5Ω・cm^2となり熱処理によりさらに低下させることに成功した。これはX線回折の評価から熱処理によって金の結晶性が向上したことによると考えられ、結晶構造・界面状態は電気特性に重大な影響を及ぼす事が分かった。 2.単一架橋カーボンナノウォールの作製 独立した一枚のカーボンナノウォールの物性解明、およびカーボンナノウォールをデバイスへ実装するための基盤技術の確立を目的として、単一架橋カーボンナノウォールの作製を行った。ナノオーダーの溝構造をもつトレンチ基板を用いて電子ビーム励起プラズマにより作製した結果、トレンチの溝に架橋する単一のカーボンナノウォールの作製に成功した。
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