研究課題
従来の半導体微細加工技術、いわゆるトップダウン型の手法による材料の高機能化・高集積化がその限界に到達しようとしている現況を打開するためには、革新的なボトムアップ型ナノ構造作製技術の確立、および新規物性を発現する高機能材料の開発とシリコン系材料との融合・複合化による基幹デバイスの更なる性能向上・進化がのぞまれる。このような背景を踏まえて、本研究では自己組織化プロセスを用いた新規ナノ構造形成技術の構築とナノ物性評価技術の確立を目指している。ポストスケーリングを実現する新たな方策として、強誘電性および強磁性の複数機能を単一の物質の中で融合したマルチフェロイック材料の開発を行うとともに、スピン半導体との融合化を検討した。平成19年度は、ボトムゲート型のマルチフェロゲートトランジスタの作製の第一ステップとして、縦型格子歪みガーネットと、酸化物磁性半導体:Coドープ酸化亜鉛(ZnCoO)の物性制御を行った。ゲート部として用いるLuIG(以下Lu_3Fe_5O_12)については、縦型マルチフェロイックLuIG/YAG(100)薄膜を作製してX線回折、磁気円二色性(MCD)、強誘電性の測定を行い、面内縮み歪が面直格子定数、磁性及び強誘電性発現に及ぼす影響を調べた。チャネルとして用いるCo:ZnOについては、Co:ZnO薄膜を作製し、超伝導量子干渉素子(SQIUD)、物性測定システム(PPMS)を用いた強磁性の測定を行った。
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