研究課題/領域番号 |
18063015
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研究機関 | 18063015 |
研究代表者 |
浦岡 行治 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (20314536)
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研究分担者 |
山本 伸一 龍谷大学, 理工学部, 教授 (70399260)
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キーワード | 生体超分子 / タンパク / 自己組織化 / メモリ / 半導体デバイス / 抵抗変化型メモリ / シリコン薄膜 / 低温結晶化 |
研究概要 |
本研究の目的は、生体超分子や有機分子など、自己組織化能力をもつ新しい材料を導入し、新しい半導体デバイスプロセスを提案することである。従来の無機材料では得られないナノメートルスケールでの均一性、位置制御性を有効に活用した、新機能デバイスプロセスの提案を行った。 (1) 自己組織化三次元構造 これまで、生体超分子の自己組織化能を利用して、2次元高密度配列を実現してきた。最終年度として、無機材料認識機能を活用して、3次元構造を作製し、電子デバイスへの応用を検討した。その結果、鉄を内包するフェリチンタンパクをシリコン酸化膜を介して3層積層し、鉄ナノドットの3次元構造を作製した。また、3次元ナノドットをシリコン酸化膜中に埋め込んだキャパシターを作製し、電子の充放電を確認した。従来の単層膜と比較して、より高いメモリ効果を確認できた。 (2) 自己組織化ナノ構造の位置制御と抵抗変化型メモリへの応用 タンパクなどのナノ構造の位置をナノスケールで制御する試みを行ってきた。本年度は、白金(Pt)を内包するフェリチンを用いて、抵抗変化型メモリへの応用を検討した。本研究では、酸化ニッケルの中に、生体超分子のPtナノドットを埋め込むことで、フィラメントの位置を制御しようとするものである。その結果、酸化ニッケル中にPtナノドットを埋め込むことで、抵抗値のばらつきを抑制できることを確認した。また、ナノドットの密度を制御することで、動作電圧を制御できることを確認した。 (3) 自己組織化ナノ材料を用いた半導体薄膜の結晶化 これまで、我々はニッケルを用いたシリコン薄膜の低温結晶化を試みてきた。本研究では、ナノドットを位置制御し、粒界の制御されたシリコン薄膜の形成を目指した。その結果、非晶質Si膜上に、パターニングされたニッケルナノ粒子の配列を確認した。また、熱処理することで、結晶粒の位置制御されたシリコン薄膜の形成を確認した。
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