研究課題/領域番号 |
18063017
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宮崎 誠一 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 教授 (70190759)
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研究分担者 |
東 清一郎 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 助教授 (30363047)
村上 秀樹 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 助手 (70314739)
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キーワード | 量子ドット / 不揮発性メモリ / 量子サイズ効果 |
研究概要 |
極薄SiO_2膜上に、SiH4ガスの減圧CVD法により自己組織化形成したSiドット(約1.0×10^<10>cm^<-2>)を形成した後に、極薄Ni層(~1.7nm)をEB蒸着することで、Niシリサイドドットを形成し、Niシリサイドドットの帯電特性について調べた結果、同程度サイズのpure Siドットに比べて、電子閉じ込めポテンシャルが深くなることを反映して、電子保持特性が向上することを明らかにした。さらに、密度制御したSi量子ドットをNiシリサイド化し、個々のNiSiドットの帯電特性をAFM/ケルビンプローブモード(ノンコンタクト)による表面電位測定から評価した。 NiSiドットの電圧印加前後における表面電位像から、電圧印加前は一様な表面電位であるのに対し、局所的に電圧印加した後は、約-20mVの表面電位変化(負帯電)が認められた。 この電位変化量は、ドット-基板間の静電容量を考慮すると、電子1個の保持に相当する。また、探針電圧-1.0V以下では表面電位変化が認められなかった。負帯電後、探針電圧+0.5V印加すると、電圧印加前の表面電位像と同様に一様な電位像が得られた。これらの結果は、NiSiドットに単電子が注入・保持され、その後の探針電圧負バイアス印加により保持電子の放出したと解釈できる。探針(Ph)と基板の仕事関数差および下地酸化膜での電位降下から、NiSiドットのフェルミ位置はSiミッドギャップ近傍に位置すると推察できる。 NiSiドット(ドット高さ:〜10nm)において、単電子注入による負帯電が生じるプローブ電圧は-1.2Vであり、電子保持後+0.5V印加することで保持電子の放出による電気的中性化を確認した。
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