現代の科学と科学技術の発展は原子レベルで構造制御された機能性物質群の創製に依るところが大きい。これは、複数の元素がある種の組成と配列あるいは空間配置に制御されるとき、元素間に様々な相互作用や協同効果が発現し、単独の元素では実現し得ない新たな機能が生まれるからである。本特定領域研究では、複数元素の相乗的な働きによって優れた機能を発現する分子性化合物やそれらの複合体を「元素相乗系化合物」と定義し、その学理と応用を追求することにより、真に独創的な機能性物質群を創造するための複合型元素化学研究を推進する。主に、立体的・電子的に柔軟で高い機能を発現しやすい高周期元素(典型元素、遷移元素)の化合物に焦点をあて、科学と科学技術の発展に資する新反応と新物質を創出する。
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