研究概要 |
(1) ルテニウムとオスミウムを含む等核および異核の二核ポリヒドリドクラスターと三級リン配位子との反応申請者はこれまでに二核ルテニウムテトラヒドリド錯体(Cp^*Ru)_2(μ-H)_4と三級リン配位子の反応について検討し、1:1-リン付加体Cp^*Ru(PR_3)(μ-H)_2RuCp^*が生成することを明らかにするとともに、溶液中ではリン配位子が2つのルテニウム間を速やかに移動することを見出しその機構を解明してきた。本年度はRuOsおよびOs_2の金属コアを有する類縁体とリン配位子の反応を精査し、中心金属の種類によって反応生成物と反応機構がどにように変化するのかを実験および理論的側面から明らかにする。 (2) ルテニウムとオスミウムを含む三核ポリヒドリドクラスターの酸塩基性評価ポリヒドリドクラスターの反応性はヒドリド配位子の酸塩基性の影響を強く受ける。金属中心が同族の4種の三核クラスターRu_3, Ru_2Os, RuOs_2, Os_3 のヒドリド配位子の塩基性を実験的に評価するとともに計算化学的手法を用いて塩基度の差を生ずる要因を明らかにする。
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