研究課題
金属原子を固定化させたロタキサンなどのインターロック分子を用い、錯体内における遷移金属/典型元素の相乗的な相互作用に的を絞り、その特性を精査した。すなわち軸と輪成分の両方に配位部位を有するロタキサンにおけるPd金属/ヘテロ原子間の相互作用について(i)配位の強さ、(ii)配位子交換の可能性、(iii)ロタキサン構造の特異性と安定性の関係を検討し、ロタキサンの特殊な空間結合系によって増幅・加速される分子内環化反応を見いだした。こうした反応系は直進分子モーターの構築に極めて適しており、軸上に拘束された輪成分の移動方向の制御に利用することを考えた。その結果、移動制御点を4つ持つリニア分子モーターのモデルの合成と、その墓本動作系の構築を達成した。それに加えて、(1)軸成分の長さをコントロール可能な新規金属テンプレート型ポリロタキサン合成法、(2)長鎖の軸成分を持つロタキサンの合成法、並びに(3)金属テンプレート型カテナンの簡便合成法についても確立し、リニア分子モーターシステムへの重要な知見を得た。これらの運動特性や元素相乗効果についても研究を進めている。
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Chemistry Letters 36
ページ: 102-103
Journal of Porhyrin and Phthalocyanin 11
ページ: 334-341